インテル撃破の功労者はこの男 不完全燃焼のローマ・ダービーから立ち直ったのは

ベンチスタートとなったインテル戦で、抜群の存在感を示したルイス・アルベルト photo/Getty Images

後半ATにはアシストも

今夏にマウリツィオ・サッリ氏を新監督に迎えたラツィオは、16日のセリエA第8節でインテルと対戦。

フェリペ・アンデルソン、チーロ・インモービレ、ペドロ・ロドリゲスの3トップを起点にハイプレスを仕掛けたものの、11分の場面ではインテルの小気味良いパスワークを止めきれず、相手MFニコロ・バレッラの自陣ペナルティエリア内への侵入を許す形に。

左サイドバックのエルセイド・ヒサイがバレッラを倒したことで、インテルにPKが与えられると、このチャンスをイヴァン・ペリシッチにものにされた。
その後もルイス・フェリペとパトリックの2センターバックを起点に自陣後方からパスを繋ごうとしたが、この2人がインテルの2トップ、ペリシッチとエディン・ジェコによる徹底マークに遭い、効果的な縦パスを繰り出せず。[4-1-2-3]の布陣のアンカーで起用されたルーカス・レイバも、相手MFマルセロ・ブロゾビッチのマンマークに晒されたことで、ラツィオのビルドアップが行き詰まった。

また、この日のラツィオは守備面でも問題発生。ハイプレスをいなされた際の守備の第2プランが不明瞭で、4バックと中盤が度々間延び。このスペースをインテルの2トップやバレッラに狙われ続けた。

攻守両面で機能不全に陥っていたラツィオを救ったのは、66分に投入されたMFルイス・アルベルト。

[4-1-2-3]の布陣の左インサイドハーフで起用された同選手は、遅攻時に適宜最終ライン付近へ降り、ビルドアップに関与。インテル陣営の監視に晒されていた味方の2センターバックや、レイバの負担を軽減した。

途中出場でありながら、自チームの選手中3番目に多いディフェンシブサードにおけるプレス回数を叩き出すなど、アルベルトは守備面でも奮闘(3回、データサイト『FBref.com』より)。

1-1のタイスコアで迎えた81分に、ラツィオ陣内でドリブルを仕掛けたFWラウタロ・マルティネスへのチェイシングを怠らず、これにより同選手のシュートの精度を落とすことに成功。この直後に始まったラツィオの速攻から、アンデルソンの逆転ゴールが生まれている。

後半アディショナルタイムにはフリーキックのキッカーを務め、MFセルゲイ・ミリンコビッチ・サビッチの得点をアシストしたアルベルト。

同リーグ第5節のトリノ戦では前半のみの出場に留まったほか、第6節のローマ戦でも後半の早い時間帯に交代を命じられ、ピッチから退く際には不満を露わに。チーム内での序列が低下しかけていたが、インテル戦では限られたプレイタイムのなかで存在感を示し、3-1での勝利に貢献している。

今回の活躍により、サッリ監督からの信頼度が増したことだろう。

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