優秀な若手はいるものの…… アーセナルに足りないのは“頼れる年長者”なのか

楽しみな若手は次々と出現しているアーセナルだが…… photo/Getty Images

チームを牽引する存在がいない?

2021-22シーズン、プレミアリーグでいきなり開幕2連敗を喫してしまったアーセナル。彼らにとっては昨季8位の屈辱を晴らすべく臨んだ新シーズンだったはずが、そのスタートは最悪なものとなってしまっている。

たしかに、これまでの2試合で対戦したブレントフォードとチェルシーは強かった。しかし、ビッグ6という看板を背負うクラブとしては、もう少し抵抗を見せてほしかったところだ。いずれの試合でも、アーセナルはほぼ為す術なく敗戦。多少の修正は見せたものの、その印象は悪いと言わざるを得ない。

では、アーセナルはなぜここまで調子が出ないのか。離脱者が多く出ている影響も考慮すべきだろうが、根本の問題はチームの軸が若すぎるという点かもしれない。有望なヤングタレントが何人か頭角を現してはいるものの、そのお手本となるワールドクラスの不在。これこそ、アルテタ監督を悩ませている原因のひとつと考えることもできるだろう。活きのいい若手が出てきたことは喜ばしいが、今のアーセナルには苦境に立たされた際の“心の拠りどころ”がない。かつて同クラブでプレイしたMFジャック・ウィルシャーも、この問題点を指摘しながら次のように語る。
「優秀な若手も多いし、アーセナルは良いグループを持っていると思うよ。若い選手の充実度を見れば、僕が知っているなかでもベストなんじゃないかな。僕やアーロン・ラムジー、キーラン・ギブスがいた頃よりも優れていると感じるね。でも、そういった若手が選手として完成するには何年か時間が必要なんだ」

「加えて、僕らがいた時代と今のアーセナルでは状況が違う。僕らの頃はチームにワールドクラスの選手がいた。彼らは本当に僕たちをさまざまな場面で助けてくれたんだ。セスク・ファブレガスやロビン・ファン・ペルシー、そしてサミル・ナスリさ。彼らから僕は多くのことを学んだ。その違いがあるからこそ、今のアーセナルの若手が真に頼れる存在となるのは、僕らよりもう少し時間がかかるかもね。アルテタはそういった部分で苦労しているんだと思う」(英『 The Athletic』より)

ワールドクラスの軸がいたうえで若手が躍動していたウィルシャーの時代と違い、今のアーセナルは若い選手たちを中心にチームが回っている。そのため、今のアーセナルには経験不足などから試合を立て直す力が不足しているとウィルシャーは指摘している。

本来であればFWピエール・エメリク・オバメヤンあたりにその牽引役を務めてもらいたいところだが、はたして今後アーセナルはこの状況をどのように打破していくのだろうか。ガナーズの再浮上には期待したいところだが……。

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