責任や重圧を力に変える“新10番” ミランにとってスクデットの鍵か 

開幕戦で決勝ゴールを決めたブラヒム・ディアス photo/Getty Images

開幕戦で放った10番の輝き

ACミランは23日、セリエA開幕節でサンプドリアと対戦した。この試合で輝きを放ったのが、期待の新10番だ。

2017年夏の加入以降、ミランの栄光の背番号である「10」を背負ってきたトルコ代表MFハカン・チャルハノールが今夏に退団(ライバルのインテルに加入)。そして、この空き番号となった「10」を今季から背負うこととなったのが、レアル・マドリードからレンタル加入したスペイン代表MFブラヒム・ディアスだ。同選手は昨季もレンタルでチームに加わっていたが、さらに2年間のレンタル契約を締結したことが今夏に発表されている。

先日、ディアスはミランの10番に対する想いを「(昨季の)21番も好きな番号だったけど、以前から10番が好きなのも事実。ミランの歴史の中でも、唯一無二の番号だからね。この番号には重みがあり、クラブにとって価値のあるもの。大きな責任が伴うのは分かっているよ。ファンのためにベストを尽くし、この偉大なクラブに相応しい存在になりたい。自分ならそれができると思っている」と明かしていたが、開幕スタメンを飾ると、早速結果を残して見せた。
トップ下に入ったディアスは9分、右サイドの深い位置まで侵入したDFダビデ・カラブリアのマイナスのクロスを合わせ、貴重な先制ゴールをゲット。これが決勝点となり、チームに白星をもたらしたのだ。

69分までのプレイではあったが、ディアスはゴールシーン以外にも、ボールを受けた際に前を向いて局面を打開しようとする姿勢や、長い距離のドリブルで前線へボールを持ち運ぶシーンをいく度となく見せる。その姿には「今季は10番のオレがチームを引っ張っていくんだ」というような強い想いや気迫が感じられた。

また、中間ポジションを取って攻撃の繋ぎ役になったり、相手ボールの際には前線で積極的にチェイシングしたり……。10番としての存在意義をプレイで、そして背中で示すことができたのではないか。1年目は思うような結果を残せなかった試合も多かったディアスだが、2年目の今季は10番としての責任や重圧がポジティブな方向へ働き、自身の力になっているのかもしれない。

昨季は冬の王者に輝くも、後半の失速で2位に終わっていたミラン。今季は“新10番”がチームを牽引していく。11年ぶりにスクデットを獲得することができるのか。

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