マリノスで初勝利を挙げた杉本健勇 求められるのは“プレイの幅”

マリノスでのデビューを果たした杉本健勇 photo/Getty Images

少し物足りないか

7月10日のアビスパ福岡戦以来のリーグ戦となった横浜F・マリノス。新指揮官のケビン・マスカット体制での初のリーグ戦となっており、更にベンチには新加入のFW杉本健勇、FW宮市亮らが入った。内容としてはガンバ大阪相手に3-2で勝利し、中盤は主導権を握られる時間があったものの、マスカット体制初勝利を挙げた。

その中でも注目はやはり途中交代でピッチに立った杉本か。前線に関しては得点源であったオナイウ阿道がフランスに移籍しており、同じく前田大然も東京五輪に招集されている。この試合での杉本の役割は彼らの代役だ。

杉本は後半28分にレオ・セアラに代わって3トップの真ん中として投入された。すると、セットプレイからいきなり長身の杉本がヘディングシュートを放つ。このボールは左ポストに嫌われたが、左から天野純が再びクロスを供給し、水沼宏太がダメ押しの3点を挙げている。直接得点に絡むことはなかった杉本だが、自身の武器である187cmの大きな体を使い攻撃で良さを見せた。その後も、献身的な守備を見せ、マリノスでのデビュー戦を勝利で飾った。

このようにまずまずな結果を残した杉本。しかし、ライバルにはセアラや東京五輪から帰ってくる前田の存在もあり、少し厳しいと見るべきか。

そう考える要因は彼のプレイスタイルにある。基本的には前線でボールを受ける際は足元で受けることが多く、その後味方を探し自身は前に出るなどの動き出しを見せる。直接裏への抜け出すといったプレイは少なく、柔軟性には欠けていると言える。

マリノスの武器の一つに鋭いカウンターがあるが、杉本にボールが渡った際はスローダウンしてしまうため、そう考えると攻撃パターンを一つ潰してしまうことになり、先発としては使いづらい。後半からの投入で献身的な守備や高さを武器とする杉本であれば、一つのオプションとしては考えられるが、重要な試合での先発は難しい。

より自身の活躍の場を広げるには、プレイの幅を広げることが重要か。

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