主力を引き抜かれても無問題? ライプツィヒの“バイエルン崩し”は実現するか

DFBポカール1回戦のザンクトハウゼン戦に勝利し、2021-22シーズンを良い形でスタートさせたライプツィヒ photo/Getty Images

「十分に優勝のチャンスはある」

今夏、監督と未来ある若者を国内のライバルであるバイエルン・ミュンヘンに引き抜かれたRBライプツィヒ。さらにはMFマルセル・ザビツァーにも現在バイエルン移籍の噂が浮上しており、新シーズンに向けて不安要素は少なくない状況だ。昨季はあと一歩のところまで絶対王者に肉薄した同クラブだが、今季はその差を再び突き放されてしまうこととなってしまうのだろうか。そんな心配をしている人も少なくないだろう。

とはいえ、過度な心配をする必要もないか。もともと、ライプツィヒは若く才能ある選手を育てて売るクラブ。いくら主力を引き抜かれたからといって、その次にはまた才能あふれる原石たちが控えている。ナーゲルスマン監督に関しても、ホッフェンハイムから引き抜いた時点で彼は人気株の青年監督だった。それだけに、いつかこうなることはクラブも予想していたはず。人材の流出など、ライプツィヒにとっては毎年のように起こりうること。それを見越したうえでクラブは次世代への投資も行ってきたはずで、シーズンが始まれば彼らはまたいつものような戦いぶりを披露してくる可能性が高い。

加えて、今夏のライプツィヒは補強も抜け目ない。ウパメカノの後釜にはストラスブールから期待の新鋭DFモハメド・シマカン(21)、そして前線ではフランクフルトから昨季ブンデス28得点のFWアンドレ・シウバを確保。要所要所にビッグクラブ注目の実力者を補強しており、そのスカッドはしっかりと上位勢のレベルの保っていると言っていいだろう。ナーゲルスマンの抜けた指揮官にも、レッドブルイズムを理解する前ザルツブルクのジェシー・マーシュ監督を起用。こうした部分を見てみると、2021-22シーズンもライプツィヒはバイエルンに挑めるのではないか。そう思える布陣は整っている。
「バイエルンはバイエルンだ。僕らが限界まで力を引き出してプレイすることができれば、十分に優勝のチャンスはあると思っているよ。今、僕らはエキサイティングな物語の始まりにいる。僕も頑張らないとね。『もっとゴールを決める』と言うのは簡単でも、実際にやるのは難しい。でも、フランクフルトであれだけ多くの得点を奪えたことは、自信につながっているよ。今季は環境も変わったから活躍できる保証はないけれど、このクラブにすべてを捧げる覚悟はある。ライプツィヒが僕を求めた理由を証明したいと思っているよ。そうすれば、おのずとリーグ優勝も見えてくるはずさ」(独『Sport Bild』より)

新加入のA・シウバも、ライプツィヒの秘めるポテンシャルはバイエルンにも対抗できるものだと確信している様子。はたして、2021-22シーズンこそライプツィヒは絶対王者・バイエルンの牙城を崩すことができるのだろうか。その戦いぶりには例年以上に注目しておきたいところだ。

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