ファン・ダイクの完全復活はまだ先か “世界最高級CB”でも無理は禁物

完全復活となれば間違いなくリヴァプールにとって大きな戦力となるファン・ダイクだが…… photo/Getty Images

開幕からフル稼働はさせられない

2020-21シーズン、プレミアリーグを3位でフィニッシュしたリヴァプール。しかし、彼らの実力がこんなものでないことは多くの人が理解しているところだろう。昨季は怪我人続出の影響もあって不本意な成績に終わったものの、万全の状態でシーズンを戦い抜くことができればレッズは優勝を狙えるチームだ。来季こそ2019-20シーズン王者は逆襲へ。そんなシナリオを期待している人も少なくないはずだ。

そのなかで、最注目となるのはオランダ代表DFフィルジル・ファン・ダイク。やはり、守備の要となる男の存在は大きい。2020-21シーズンにリヴァプールの歯車がなかなか噛み合わなかったのは、間違いなくこの男を長期間欠いていたことが原因と言えるだろう。圧倒的な守備力に加えて、ロングフィードでもチームに貢献できるセンターバックが1年を通して稼働できるか。これこそ、リヴァプールが再び頂点を目指すにあたって最も重要な要素となることは間違いない。

しかし、リヴァプールがシーズンの開幕からファン・ダイクをフル稼働させることができるかは微妙な状況だ。現地時間29日に行われたヘルタ・ベルリンとのプレシーズンマッチで285日ぶりに実戦復帰した同選手だが、2週間後のプレミア開幕戦に出場できるかは現時点で不透明。先発フル出場も決して不可能な状態ではないかもしれないが、ここで無理をさせるには少しリスクがあると言っていいだろう。その先にも長いシーズンが待っていることを考えれば、リヴァプールは徐々にファン・ダイクの状態を100%に戻していく必要がありそうだ。
「フィルジルをすぐにチームに組み込むことには注意が必要だと思うよ。おそらく、クロップも同じ考えなんじゃないかな。彼が戻ってきても、リヴァプールが自動的にまた優勝できるとは限らない。もし最高の状態に戻れば、彼は世界で最高のセンターバックとなるはずだ。でも、レッズが望んでいるのは、今後5〜6週間でフィルジルがその状態を維持することではなく、5〜6年にわたってその状態をキープしてくれることだ。そうしたことを考えれば、彼の早期復帰は慎重に考えねばならないと思うよ」

「開幕戦に間に合わなかったからといって、世界が終わるわけじゃない。今リヴァプールに求められているのは、フィルジルが100%となるのを確認することだ。それまでは緩やかなスタートなるかもしれないが、我慢が必要だと思うね」(英『Daily Mirror』より)

クラブOBのジェイミー・キャラガー氏も、ファン・ダイクの開幕戦起用については慎重になるべきとリヴァプールに警告を送っている。皆が待つ世界最高級CBの完全復活だが、それが実現するのはもう少し先か。一刻でも早く彼の元気な姿を見たいところだが、レッズはもう少し我慢を強いられることとなりそうだ。

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