2020-21シーズン、武者修行先で確かな成長を見せたリヴァプールの若手アタッカーだが、彼がレッズの主力となるまでにはもう少しだけステップが残されているのか。夏の移籍市場でアタッカー補強が必要とされるリヴァプールではあるものの、今季チャンピオンシップ(英2部)のブラックバーンで優秀な成績を残したFWハーヴェイ・エリオット(18)を来季の構想には含めていないのかもしれない。
この一年で、エリオットは間違いなく力をつけた。今季の彼がチャンピオンシップ41試合で残した成績は7得点11アシスト。そんな積極的にゴールへと絡む術を身につけた18歳の来季に、大きな期待を抱いていたファンも多いだろう。しかし、リヴァプールはエリオットにさらなる試練を与える方針のようだ。
英『Daily Mirror』によると、リヴァプールは来季のエリオットを昇格組のワトフォードに預ける意向を持っているという。レッズは彼がブラックバーンで見せた成長には満足しているものの、まだ自軍でプレイするレベルには到達していないと判断している様子。まだ18歳ということもあり、じっくりとプレミアの水に慣れさせたい考えを持っているようだ。
たしかに、いくら今季得点力不足に悩まされたといはえ、エリオットがリヴァプールの前線に食い込めるかどうかはまだ微妙なところ。ロベルト・フィルミーノ、サディオ・マネ、モハメド・サラー、ディオゴ・ジョタといったレベルの選手と競わせるには、まだ時期尚早といったところか。せっかくの伸び盛りの時期を、ベンチで過ごさせるわけには行かない。現時点での評価は厳しめだが、これもクラブとしての親心なのだろう。
そんなエリオットだが、ワトフォードへ向かうことでプレイの幅も広げることができるか。実は同クラブ、今季はさまざまなシステムを使い分けながらプレミア昇格を勝ち取っているのだ。開幕当初こそ[3-5-2]を基軸としていたものの、シーズン途中からは[4-4-2]や[4-1-4-1]、[4-3-3]といったシステムを採用するようになった。3トップや2トップも試合ごとに変わる印象が強く、ワトフォードに向かえばエリオットはさまざまな役割をこなすことになるかもしれない。起用法が安定しないといえばイメージは良くないが、これによってエリオットはプレイの引き出しを増やす可能性も出てくる。
すでにウイングとして基本の型はブラックバーンで身につけただけに、エリオットに求められるのはさらなる成長。そう考えれば、ワトフォードというのは決して悪い行き先でもなさそうだ。はたして、リヴァプールのヤングスターは来季どれほどの成長を見せることができるのか。可能な限り、若いうちにさまざまな経験をしておきたいところだ。