万全の状態なら文句なしだが…… イングランド代表のメンバー選考に疑問の声

EURO行きを掴んだマグワイアだが…… photo/Getty Images

負傷中のDF選出にレジェンドは疑問

いよいよ開幕が近づいてきたEURO2020だが、そのなかでイングランド代表の成績はどのようなものになるのか。近年、優秀な若手が数多く台頭していることもあって、同代表の躍進を期待している人も多いだろう。

しかし、現地時間1日に発表された最終メンバーのリストに関して、イングランド国内では疑問の声も上がっている。その理由はDFハリー・マグワイアの選出だ。現在負傷中で大会中の復帰が見込まれる同選手。万全の状態であれば守備の要となることは間違いないものの、はたしてサウスゲイト監督はコンディションに不安を抱える守備者をEUROに連れて行くべきだったのか。現地でそんな声は少なくない。

「今回のメンバーを見るに、サウスゲイトは3バックを採用するんだろうね。でも、マグワイアが選出されたのは理解し難いよ。彼は負傷中の身で、いつ戻ってくるかはわからない。復帰したとしても、すぐにいつものパフォーマンスを発揮できるとは思えないね。かつてはベッカムやルーニーも似た状況に陥ったが、彼はそのどちらでもない。100%大会にフィットしていない選手をEUROに連れていくべきではないと思うな。戻ってきても、短期間でリズムに乗るのは難しいと思うね」(英『Daily Mirror』より)
このように発言するのは、元イングランド代表DFリオ・ファーディナンド氏だ。普段の実力は申し分ないが、怪我の影響で大会中に本来のパフォーマンスを取り戻せるかわからないマグワイアを選ぶくらいなら、コンディションの整った別の選手を選ぶべきだった。マンチェスター・ユナイテッドの先輩は、そのように感じているようだ。

加えて、イングランド代表は似た境遇の選手としてMFジョーダン・ヘンダーソンも抱えている状況だ。しかし、この中盤戦士にはロッカールームにおける存在感の大きさがある。もし試合に絡むことができなくても、そのリーダーシップに期待されている部分はあるのだろう。マグワイアも決してリーダーシップがないわけではないものの、ヘンダーソンと比べてしまえば一段見劣りするのは事実。そう考えると、万全のコンディションを整えていた他の選手を押し退けてまで、マグワイアがメンバー入りした理由に疑問を抱く人が少なくないのも理解できる。

厳しい視線が向けられるサウスゲイト監督のメンバー選考。だが、優勝を掴み取りさえすれば、どこからも文句は出ないだろう。マグワイアの選出に関して議論が渦巻くイングランド代表だが、はたして彼らはEUROの舞台でどこまで駒を進めることができるのか。欧州最高峰の舞台における、スリーライオンズの運命やいかに。

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