彼抜きに今のミランは語れない 中盤で暴れた“理不尽なフィジカル”を持つ男

今季のミランに欠かせぬ存在だったケシエ photo/Getty Images

攻守に必要不可欠だった重戦車MF

2020-21シーズン、後半戦こそ少し息切れした感もあったが、見事に来季チャンピオンズリーグ出場権を手に入れたACミラン。8季ぶりにロッソネリが欧州最高峰の舞台に帰ってくるとあって、興奮しているサッカーファンは多いだろう。

そんなミラン復活の立役者となったのは、間違いなくFWズラタン・イブラヒモビッチ(39)だろう。40歳を目前にしてセリエAで驚異の15得点を記録したベテランストライカーは、間違いなくピッチ内外でミランの中心だった。彼を抜きにして、今季ミランが披露した快進撃を語ることはできない。

しかし、ミランには中盤にも躍進のカギをなった選手がいることを忘れてはいけない。イブラヒモビッチほど紙面を賑わす“スター”でこそなかったものの、コートジボワール代表MFフランク・ケシエ(24)は圧倒的な存在感を示した。
抜群のフィジカルを活かしたパワフルなプレイで、ミランの中盤を支配したケシエ。身体の強さを前面に出した守備をはじめ、ゴリゴリと運べるドリブル、楔のパス、強烈なミドルシュート……。あらゆる役割を、この男はたった一人でこなしてしまった。さまざまな選手の成長が見られた今季のミランだが、そのなかでもケシエはもう一段階上のレベルにいた印象も強い。セリエAでは37試合に出場して13ゴール6アシスト。得点のほとんどはPKだが、FWと言われてもおかしくない数字を残している。

そんなケシエの素晴らしさは、そのほかのスタッツにも表れている。データサイト『SofaScore』によると、同選手はドリブル成功率(79.63%:54回中43回成功)やクリア数(48回)、インターセプト数(46回)、パス成功数(1773本)、デュエル勝利数(192回:勝率52.6%)といったあらゆる部門でリーグMF中トップ10に入る数字を残している。こうした面からも、彼がいかに今季のミランにとって重要な存在だったかは窺い知ることができるだろう。

「このアフリカンMFがいなければ、たとえ王(イブラヒモビッチ)がいてもミランの成功はなかったかもしれない」(伊『Leggo』)

現地メディアも、ミランの躍進を支えたケシエの奮闘にはこのように称賛の意を示している。攻撃にも守備にも欠かせぬ存在だったロッソネリの重戦車MF。理不尽なフィジカルを武器にセリエAを席巻した中盤戦士は、これからもミランにとって重要な存在であり続けるだろう。

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