再起をかけて臨んだ2020-21シーズンだったが、最終的にはイングランド・プレミアリーグを8位でフィニッシュすることとなったアーセナル。随所で良い面も見られはしたのだが、その戦いぶりは最後まで安定しなかった。
とはいえ、その一方では活きのいい若手選手の成長が感じられたシーズンだったのも間違いない。MFブカヨ・サカ(19)やMFエミール・スミス・ロウ(20)といったヤングタレントは、プレミアでも十分に通用する実力を備えていることを証明してくれた。まだまだ改善点は多いものの、夏の移籍市場でしっかりと弱点を補強できればアーセナルに復活のチャンスはあるかもしれない。
そんななかで、アーセナルにまた新たな補強候補が浮上している。英『Daily Mail』によると、同クラブは今季レスター・シティでプレイしたトルコ代表FWジェンギズ・ウンデル(23)の獲得に興味を示しているという。
ASローマで出場機会を失い、昨夏レスターへとレンタルされることとなったウンデル。右ウイングを主戦場とするレフティーで、積極果敢なドリブルを得意としている。クリエイティブな若いアタッカーということで、アーセナルが欲しがるのも頷ける。2019年夏から移籍の噂はあったが、1720万ポンドと比較的お手軽な値段もガナーズの興味を惹きつけている理由の一つのようだ。
しかし、そんなウンデルには少し心配な面もある。実は同選手、果敢な突破を武器とする一方で、突破した後のクオリティには多少の疑問が残るのだ。ローマ時代から素晴らしいドリブルやミドルシュートは披露しているのだが、一貫性に欠ける印象は否めない。加えて、ドリブル後の判断の遅さが気になることもしばしば。実際、データサイト『WhoScored.com』によると、今季彼がプレミアで記録したボールロスト数は90分平均2.9回となっている。これは今季5試合以上に出場した選手中、リーグで5番目に多い数字だ。
加えて、シュート精度や守備意識の低さも気になるところ。英『Daily Mirror』によると、特に後者は同クラブが買取オプションを行使しなかった最大の要因とも。局面を打開できるドリブルが武器ではあるものの、そのほかの要素が少し物足りない印象も残るウンデル。素材が良いことは間違いないが、アーセナルが無理に獲得しに向かう理由は今のところないかもしれない。