フランス代表は本当に“世界最強メンバー”なのか EUROで苦戦する未来

EURO優勝候補に挙がるフランス代表 photo/Getty Images

招集メンバーは決して盤石ではない

18日、EURO2020に臨むフランス代表のメンバーが発表された。

相変わらず豪華なメンバーであり、2018年に行われたワールドカップ・ロシア大会に続く優勝が期待されている。

しかし、思うほどスムーズに物事は進まないかもしれない。クラブで苦しい時間を経験した選手が少なくないからだ。
前線ではレアル・マドリードFWカリム・ベンゼマが衝撃の代表復帰を果たしたが、ネガティヴに捉えるならベンゼマの力に頼らざるを得なかったとも考えられる。

ワールドカップ・ロシア大会ではチェルシー所属のオリヴィエ・ジルーが代表監督ディディエ・デシャンのお気に入りとしてセンターフォワードを務めたが、ジルーはクラブの方で出番を失っている。今回も招集メンバーには入っているが、さすがにEUROの大舞台を任せるのは難しいかもしれない。

ジルーとともにワールドカップで前線を務めたFWアントワーヌ・グリーズマンも所属するバルセロナでは今ひとつだ。代表戦になれば別の顔を見せるタイプの選手もいるが、現状では過度な期待は禁物だろう。

代表復帰を果たしたベンゼマ photo/Getty Images

クラブでの成績が気がかりな選手も

クラブでの成績を考慮するなら、前線でカギを握るのはベンゼマとパリ・サンジェルマンFWキリアン・ムバッペ ということになるだろう。この2人の躍動なくしてフランス代表の優勝はない。

中盤でも優勝争いから早々に脱落する苦いシーズンを過ごしたユヴェントス所属MFアドリエン・ラビオ、すっかりブルーノ・フェルナンデスに主役を奪われたマンチェスター・ユナイテッドMFポール・ポグバ、怪我が目立つバイエルンMFコランタン・トリッソ、今季プレミアリーグで0得点0アシストの成績に留まっているトッテナムMFムサ・シソコなど、何人か状態が気がかりなプレイヤーが招集メンバーに名を連ねている。

最終ラインも同じだ。トーマス・トゥヘル体制になってからベンチスタートが増えたチェルシーDFクルト・ズマ、バルセロナで批判されることもあるDFクレマン・ラングレらがどこまで戦力になるかは分からない。

スペイン『MARCA』はラファエル・ヴァランとプレスネル・キンペンベがセンターバックのファーストチョイスになるのではと予想しているが、このコンビで強豪国の攻撃を抑え込めるだろうか。

また、ミランで圧巻の攻撃性を発揮していた左サイドバックのテオ・エルナンデスは招集されなかった。代表で見てみたい選手ではあったが、デシャンのプランには入らなかったか。

果たしてフランスはこのメンバーで欧州を制覇できるのか。ネームバリューは見事だが、サッカーはそれほど単純な競技ではない。フランスはドイツ、ポルトガル、ハンガリーと同居する死のグループFに入っており、グループステージから苦戦する展開となっても不思議はなさそうだ。

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