ブルーノ封じた鬼才ビエルサの教え子 90分間マンマークを続ける驚異の心臓

リーズの躍進を支えるカルバン・フィリップス photo/Getty Images

代表にも選出されたカルバン・フィリップス

久しぶりのプレミアリーグ復帰だったことや指揮官が名将マルセロ・ビエルサということもあり、開幕から期待値の高かったリーズ・ユナイテッド。第33節を終了して9位と、近年で言えばウルブズを思い出させるような昇格組の躍進であった。その中でも攻守が目まぐるしく切り替わるこのサッカーを中盤から支えたカルバン・フィリップスの活躍は白眉だ。

リーズの下部組織出身のフィリップスは2014年にトップチームデビューを果たしており、2016年からはスタメンとして不動の地位を築いている。2020年には代表にも召集されており、今夏に予定されているEURO2020でイングランド代表としてピッチに立つ可能性が高い。

ポジションはチームのスタイルである[4-1-4-1]のアンカーを務めており、非常に大事な役回りである。

25日に行われたマンチェスター・ユナイテッド戦でも先発を果たしたフィリップスは長短正確なパスを繰り出し、リーズの速い攻撃に貢献していた。後半61分には左サイドのエウデル・コスタに素晴らしいロングフィードを供給し、好機を演出した。

前線を躍動させる正確なパスは見事だったが、今日のフィリップスの仕事はどちらかといえば守備に重点を置いていたのかもしれない。リーズはマンマークディフェンスの守備戦術を敷いており、それはこの日も例外なく行われた。

フィリップスの相手はマンUの司令塔ブルーノ・フェルナンデスだ。ポルトガル代表MFがディフェンシブサードに進入しようものなら、フィリップスが執拗にマークに付き続ける。すべてのプレイをカバーするのは無理だが、前を向くたびにフィリップスの顔がちらつくのはフェルナンデスにとってストレスだったに違いないだろう。その証拠に、この試合で完全にフリーでチャンスメイク出来たシーンはほぼみられなかった。それは結果にも表れており、リーズは見事勝ち点1を奪うことに成功している。もちろん、フィリップスだけが素晴らしかったわけではないが、彼の継続したフェルナンデスへの守備は確実に効果的であった。

このようにチームにとって欠かせない存在となっているフィリップス。来季はプレミア2年目として更に上を目指して欲しい。

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