マンCの強力な攻撃陣が苦戦 ドルトムントが敷いた守備戦術

ベスト4進出を決めたマンチェスター・シティ photo/Getty Images

同じような守り方をされた場合どうように対処するのか

リヤド・マフレズ、フィル・フォデンのゴールでCL準決勝進出を決めたマンチェスター・シティ。名将であるジョゼップ・グアルディオラが指揮官に就任し、ビッグイヤー獲得も夢じゃないと思われたが、ベスト8での高すぎる壁に毎年跳ね返されてきた。それでも今季はボルシア・ドルトムントを倒し、見事準決勝に駒を進めた。

しかし、ドルトムント戦ではマンC側の攻撃に手詰まり感が見えた試合であった。スコア上ではマフレズのPKとフォデンのスーパーゴールで白星を奪取したが、前半に見られたドルトムントの堅守を崩し切ったシーンは見られなかった。

この試合でドルトムントは[4-5-1]の守備ブロックを形成して中央に人数を割いており、いわゆるハーフスペースを消す動きが見られた。そのためセンターバックから縦パスが入らず、両サイドのウインガーやサイドバックがボールを持つシーンが散見されていた。前半25分のようにケビン・デ・ブライネが選手間で受けることができればチャンスは生まれるが、終始そのスペースは消されており、ボールを受けたとしても前を向くことができていなかったため、その部分での工夫がもっと必要だったようだ。

そうなるとサイドからの攻撃が主となり、フォデンやベルナルド・シウバが裏に抜けるいわゆるチャンネルランから中央への折り返しがあったが、ドルトムントはペナルティエリア内に多くに選手を配置しているため、合わせることができなかった。被カウンター時のリスク管理のためか、中央に飛び出すマンC側の選手が少なかったことも一つの要因として考えられる。

このように崩しの部分で苦労しており、PK獲得がなかったら結果はどうなっていたか分からなかった。しかし、チャンピオンズリーグのような大一番では細かい戦術よりも、フォデンが決めた理不尽なゴールが試合を決めることは多い。そういった意味ではイングランド代表MFのような突出した才能はビッグイヤー獲得のためのラストピースだったのかもしれない。

準決勝ではパリ・サンジェルマンと対戦するマンC。準々決勝でバイエルン・ミュンヘン相手に堅い守備を見せているだけに、ドルトムント戦と同じく苦戦が予想される。そうなった場合にどうような崩しを見せるのか期待したい。

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