[MIXゾーン]C大阪と徳島には大きな差があった 監督不在も走力で上回る昇格組にかかる期待

監督不在ながら一体感を見せる徳島(写真は川崎戦) photo/Getty Images

今季は残留以上の結果を出せるかも

 J2から昇格してきたクラブにはどうしても『降格候補』のレッテルが貼られる。まして過去にJ1の経験が1シーズンしかない徳島であれば、それは尚更のことである。しかも今年の場合降格クラブは4チームへと拡大している。しかし徳島はこのレッテルが、まったくの紛い物であることを証明するプレイをC大阪戦で見せた。

「しっかりと自分たちがボールを支配しながら、良いポイントにボールを運んでフィニッシュにつなげようと試みた」(甲本ヘッドコーチ)

「納得いくパフォーマンスではなかった。勝利に値するプレイを出せなかった。選手たちの力を考えれば、もっともっと内容のあるサッカーができるはずだと思う」(クルピ監督)

 試合後の両監督のコメントから読み取れるのは、徳島が自分たちからアクションをおこし、丁寧に繋ぐサッカーを展開。一方でC大阪はその対応に追われ、思い通りのプレイができなかったということだ。

 試合そのものは試合終了間際の90分にC大阪のCB西尾のオウンゴールで徳島が勝ち越し、勝ち点3を持ち帰ることになった。ただそのオウンゴールに至るまでに両者のパフォーマンスには大きな差があった。

「試合が終わったばかりで、要因や正しい分析は何とも言えないのが正直なところ。試合にはいろいろな要素があり、対戦相手のパフォーマンスもあれば、自分たちのチームの良かったところ、悪かったところ、色々ある。それをまとめることはこの場ではまだできない」

 クルピ監督は何かひとつにポイントを絞ることはできないという。ただここまでホームで負けなしだったC大阪とすれば、上位を目指す上でこの徳島戦、更に先週末の福岡戦と連続で昇格チームに勝ち点を落としていることは事実だ。

「もっと前半から自分たちの試合ができれば、余裕を持ったゲーム運びができたと思う」(CB進藤)

 ただ両者に何が違ったかといえば、走力の部分で徳島に分があったのではないだろうか?

「自分たちがボールを持てればそんなに走らなくて良かったかもしれないが、僕たちの強みは切り替えの速さと前からのプレッシングでもあると思う。走ることを惜しまないことはチームとして良いことだと思う」

 自身のクロスからオウンゴールを誘発し、古巣対決を勝利で終えた徳島の右SB岸本はそう話した。

「走る戦術ではないが、選手たちが自分たちからアクションを起こしてくれた。それが結果的に走っているように見えたのではないかと思う」(甲本ヘッドコーチ)

 攻守の切り替えは長い距離を走ることではなく、奪った時、奪われた時のアクションによるところが大きい。その反応を徹底したことが、徳島の『走力』として見る側は認知するということになるだろう。これで徳島は直近のリーグ戦5試合で4勝1敗と、目覚ましい結果を残している。

 そしてこのタイミングで徳島は新指揮官のダニエル ポヤトス監督がチームに合流する。

 甲本ヘッドコーチは「本当に良い経験をさせてもらい、良いチャレンジもさせてもらったと思う。僕に未熟な部分があり、選手たちが協力してくれたというか、選手たちも力を振り絞ってチームを作ろうという気持ちを持ってやってくれていた。本当に選手たちに助けられたと感じている」と感謝の言葉を忘れなかった。

 ポヤトス監督で大きな変化が生まれるのだろうか? 甲本ヘッドコーチのサッカーを継承し、更にプラスαをもたらすだろうか? 今後の徳島に大きな期待がかかる。

 最後に今年の昇格2チームは、間違いなく残留以上の結果を残せそうだ。

文/吉村 憲文

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