“本命断念”が功を奏したミラン 英雄バレージ氏も絶賛した若きCBの将来

ミランで日に日に存在感が増しているトモリ(右)photo/Getty Images

僕だけで決められるものじゃない

ACミランは今冬の移籍市場でセンターバックの補強を行い、チェルシーからイングランド代表DFフィカヨ・トモリをレンタルで獲得した。“本命”ではない選手ではあったが、結果的にこの補強は大成功だったといっていいだろう。

元々センターバックの選手層が薄いことに加えて、昨年末にデンマーク代表DFシモン・ケアーが1ヶ月の負傷離脱を強いられたこともあり、今冬にセンターバックの補強を目指したミラン。当初は、ストラスブールでプレイする20歳のフランス人DFモハメド・シマカンの獲得に動いていることが報じられていた。しかし、シマカンが今年1月9日行われたRCランス戦(リーグ・アン第19節)で膝を負傷。手術を必要とし、長期離脱を余儀なくされることから、ミランは同選手の獲得をやむなく断念することとなった。

こういった状況もあり、ネクストターゲットとして名前が挙がったのが、チェルシーで出場機会を大幅に減らしていた23歳のトモリだ。メインターゲットを断念したことで、今季後半戦のための一時しのぎの補強と思われたが、同選手はこの前評判を良い意味で裏切って見せた。

トモリは今季終了までのレンタルで1月22日に加入すると、同月26日に行われたインテルとのミラノダービー(コッパ・イタリア準々決勝)でケアーが負傷退場したことで、早速ミランデビュー。この試合でチームは敗れてしまったものの、デビュー戦、さらには初めてのミラノダービーとは思えないような落ち着いたプレイを終始披露した。その結果、一気にミランの主力に上り詰め、アレッシオ・ロマニョーリやケアーを脅かす存在に。身体能力を活かした対人能力や守備範囲の広さを武器に、ここまで公式戦12試合に出場しており、早くもチームに欠かせない選手となりつつあるのだ。

クラブの英雄で、欧州サッカー史上トップクラスのセンターバックと言っても過言ではないフランコ・バレージ氏も以前、伊『Gazzetta dello sport』のインタビューでトモリについて「偉大なチャンピオンになるための才能を秘めている」と絶賛。そこで気になるのが、トモリの今夏の去就だ。すでに、ミランが契約内容に組み込まれている買取オプションを行使する方向で進めているといった報道もある。23歳という若さを考えても、是が非でも完全移籍させたい逸材かもしれない。

一方で、トモリ本人は「僕はその瞬間瞬間を楽しんでいるし、ここ(ミラン)にいられて幸せだよ」としつつも、自身の将来について「僕だけで決められるものじゃない。正直、今は将来について考えていないよ」とコメントしているが、はたして。自身の今後の目標に関しても「できる限り早く、このポジションで世界最高の仲間入りをすること」と明かしていたが、守備大国のイタリアでその目標を目指すのも悪くないのではないか。

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