ヴェッラッティは“MFの理想形” 重要度はムバッペ以上か

バルセロナ戦でアシストを記録するなど、存在感を発揮したヴェッラッティ photo/Getty Images

ネイマールらの不在を感じさせない

パリ・サンジェルマン(PSG)は16日、チャンピオンズリーグ・ラウンド16の1stレグでバルセロナと対戦した。

27分にPKからホームのバルセロナに先制点を許すも、直後の32分にFWキリアン・ムバッペのゴールですぐさま同点に追いついたPSG。後半に入ると、65分にムバッペが再びゴールネットを揺らし、逆転に成功した。さらに、70分にセットプレイからFWモイーズ・キーンが、85分にカウンターから三度ムバッペがゴールを奪い、終わってみれば4-1の快勝。敵地カンプ・ノウでの戦いに加えて、FWネイマールとFWアンヘル・ディ・マリアの2枚看板が不在ではあったが、終始優位に進めたPSGが予想以上の力の差を見せつけ、ベスト8進出へ大きく前進している。

この試合のMVPはもちろん、バルセロナを相手に圧巻のハットトリックを披露した若き怪物ムバッペだ。チャンピオンズリーグのバルセロナ戦でハットトリックを達成した史上3人目の選手であり、ノックアウトステージでは初の出来事だという。ただ、この試合でムバッペと同等、もしかしたらそれ以上に重要な存在となっていたのはイタリア代表MFマルコ・ヴェッラッティではないか。バルセロナ撃破の陰の立役者といっていいだろう。

怪我で不在となったネイマールに代わって、本職とするボランチではなく、一列前のトップ下に入ったヴェッラッティ。“ネイマールに代わってオレがバルサ撃破へ導く”と言わんばかりに、キックオフ直後にいきなりムバッペへ絶妙なパスを送る。これはムバッペがうまくボールをコントロールできなかったため、シュートまで持ち込むことはできなかったが、立ち上がりから早くも違いを見せつけたのだ。

そして1点ビハインドで迎えた32分、ヴェッラッティはムバッペの貴重な同点ゴールを演出。クルザワの左からの折り返しをペナルティアーク左の位置で受けると、右足のアウトサイドで身体の向きとは逆にいたペナルティスポット付近のムバッペへダイレクトパスし、アシストを記録したのだ。走り込む際にしっかり首を振ってムバッペの位置を確認している姿が見て取れ、このパスが感覚的なものやたまたま繋がったものではないことがわかる。

また、この試合では守備面でもヴェッラッティのプレイが光っていた。うまくスペースを消して相手MFに自由にやらせないのはもちろんのこと、バルセロナのセットプレイのシーン(20分)では、こぼれ球を拾ったウスマン・デンベレに対して、2度にわたって身体を投げ出してシュートコースを塞ぎ、エリア内へ侵入しかけたアントワーヌ・グリーズマンに対しても、華麗なスライディングでボールを掻っ攫う。さらに、トップ下にもかかわらずカウンターを食らった際にいち早く自陣まで戻る姿や、DFライン付近まで下がって守備をする姿も見受けられた。

キーンのゴールでリードを2点に広げたことで、累積警告による出場停止にリーチがかかっていたヴェッラッティは、一足早く73分にピッチを退いた。ただ、上記のプレイの他にも、相手選手からのプレッシャーをうまくいなして簡単にはボールを取られないキープ力や、レアンドロ・パレデスともに中盤でリズムを作るプレイは称賛に値する。パスも出せて、キープもできて、守備もできる……。豊富な運動量でボックス・トゥ・ボックスを体現するヴェッラッティは、まさに“MFの理想形”といっても過言ではないだろう。バルセロナ戦ではネイマールらの不在を微塵も感じさせなかった。

2017年の“カンプ・ノウの奇跡”からもわかるように、この対戦カードで3点差はセーフティリードとは言えないかもしれないが、PSGが圧倒的に優位な立場に立っているのは間違いない。いずれにせよ、この点差以上にPSGは「ヴェッラッティが2ndレグにも出場できる」ことが、最大の利点だろう。ベスト8を考慮して2ndレグではスタメン起用されるかわからないが、ピッチに立った際にはヴェッラッティのプレイに目が離せない。

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