[注目試合]崖っぷちアーセナルに負けは許されない カギは中盤の攻防と“サカの使い方”

トーマスは出られない。セバージョスはリーズの密着マークにどう対処するか photo/Getty Images

中盤の密着マークはアーセナルにとって厄介

リーグ戦7戦負けなしと上昇気流に乗ったかと思ったのも束の間、そこからの2連敗でふたたび泥沼にはまりつつあるアーセナル。23試合を消化して、勝点「31」の11位と屈辱的な順位に沈んでおり、2月中にはマンチェスター・シティ、レスターと上位陣との対決が続くだけに、今節のリーズ戦は落とすことが許されないホームゲームとなる。

だが、リーズのマルセロ・ビエルサ監督が操る特徴的なオールコート・マンツーマン戦術は、アーセナルにとって厄介だ。特に、中盤でボールの出どころとなるグラニト・ジャカにとって厄介である。中長距離のパスを操るジャカはアーセナルの攻撃における重要なピースだが、張り付かれるとそのボールが精度を失う傾向にある。無理にかわそうとしてタッチが多くなり、ボールを奪われるケースも散見される。

本来はキープ力に長けるトーマス・パルティに預けるのも手だが、アーセナル公式によればハムストリングの故障で欠場の見込み。代役はダニ・セバージョスになるだろう。セバージョスも足元のテクニックに優れ、密着マークをはがせる選手だが、ここ数試合は出場できていないのが懸念材料か。アーセナルは中盤でリーズの激しいマークをいなせるかどうか、リーズにとっては中盤でいかにボールを奪って速攻に繋げるかが、ひとつのポイントになるはずだ。
12得点5アシストと爆発中のリーズFWパトリック・バンフォードが、持ち味の巧みな動き出しで奪ったボールを引き出し、ディフェンスラインの裏を突ければ一気にリーズのチャンスが訪れる。だが、1対1をかわされると大きくバランスを崩してしまうのはマンツーマン戦術の弱点でもある。ブカヨ・サカやニコラ・ぺぺなど、スピードと突破力に長けたアーセナルの選手たちに不用意なスペースを与えてしまえば、リーズは複数失点もありうるだろう。

左SBにサカを置いた攻撃的布陣は脅威となりうる photo/Getty Images

サカのサイドバック起用はどうか

アーセナルは、左SBのキーラン・ティアニーも引き続き欠場。ここ数試合はセドリック・ソアレスが代役を務めていたが、前節アストン・ヴィラ戦では敗戦につながる決定的なミスを犯してしまった。

そこで面白いと思えるのが、サカのSB起用だ。前節も後半途中のマルティン・ウーデゴー投入に伴い、SBの位置でプレイしたサカ。サカ、ぺぺが縦に並ぶこの攻撃的布陣は、74分のウィリアン投入までしか見られなかったものの、左サイドを制圧し脅威となっていた。今節はキャプテンのピエール・エメリク・オバメヤンが出場すると見られるため、オバメヤンとの縦関係を築く可能性が高いか。

セドリックは右利きのため、クロスやサイドチェンジの場面でどうしてもスピード感を欠いていた。左利きのサカであれば高いクロス精度を生かすことができ、少なくとも攻撃面ではティアニー不在の穴を埋めることができる。また、その場合は右サイドにぺぺが回るだろう。前回対戦ではリーズの左SBエズジャン・アリオスキの挑発に乗って頭突きを見舞ってしまい、レッドカードを出されているが、この因縁のマッチアップも見ものだ。


アーセナル×リーズ・ユナイテッド(プレミアリーグ第24節)
2月14日(日)25:30 キックオフ

予想スターティングメンバー
アーセナル
基本布陣[4-2-3-1]

GK マシュー・ライアン
DF エクトル・ベジェリン
DF ロブ・ホールディング
DF ガブリエウ・マガリャンイス
DF ブカヨ・サカ
MF ダニ・セバージョス
MF グラニト・ジャカ
MF ニコラ・ぺぺ
MF エミール・スミス・ロウ
MF ピエール・エメリク・オバメヤン
FW アレクサンドル・ラカゼット

監督 ミケル・アルテタ


リーズ・ユナイテッド
基本布陣[4-1-4-1]

GK イラン・メスリエ
DF ルーク・エイリング
DF パスカル・ストライク
DF リアム・クーパー
DF エズジャン・アリオスキ
MF カルヴィン・フィリップス
MF ラフィーニャ
MF スチュアート・ダラス
MF マテウシュ・クリヒ
MF ジャック・ハリソン
FW パトリック・バンフォード

監督 マルセロ・ビエルサ

記事一覧(新着順)

電子マガジン「ザ・ワールド」No.292 最強ボランチは誰だ

雑誌の詳細を見る

注目キーワード

CATEGORY:コラム

注目タグ一覧

人気記事ランキング

LIFESTYLE

INFORMATION

記事アーカイブ