日本の新・三銃士、久保、大迫もブレーキ 2021年の日本代表に不安あり

中島はFCポルトで出番がない photo/Getty Images

攻撃陣は全体的に低調だった

今年は新型コロナウイルスの影響もあって代表として活動できる機会が限られていたが、2022カタールワールドカップまで残り1年半。森保一監督率いる日本代表は成長しているのだろうか。

代表戦が少なかったため、今年に関しては選手たちが所属クラブで個々の能力を磨くしかなかった。ポジティブな要素があるとすれば、守備陣だろう。ボローニャで貴重な経験を積んでいるDF冨安健洋、サンプドリアに移籍して出番が増えたDF吉田麻也、シュツットガルト不動の守備的MFとなった遠藤航、相変わらずマルセイユで重要な役割を担う右サイドバックの酒井宏樹。日本代表の守備陣は過去に例を見ないほどタレントが揃っている。彼らを軸とした守備力はカタールワールドカップでも武器になるはずだ。

一方で攻撃陣は大きな成長が見られなかった。特に心配なのは、森保ジャパン発足から新・三銃士と注目されていた中島翔哉、南野拓実、堂安律の現状だ。3人ともステップアップの移籍を果たしたが、中島はポルトガルの名門FCポルトでほとんど結果を残せていない。日本代表の10番を任されたアタッカーが停滞しているのは痛い。環境を変えるなど、何か動き出さなければカタールワールドカップで中島を信頼するのは難しいだろう。

南野はリヴァプールへ移籍したが、さすがに選手層が厚い。現段階では出場機会を得るのに苦労しており、カタールワールドカップまでに状況が変化するかは微妙なところだ。能力は高いが、ワールドカップ本番へ試合勘が鈍るなんて事態は避けたい。出場機会をどう増やしていくのか、2021年の課題はここにある。

堂安は昨夏にオランダの名門・PSVへステップアップしたが、若手同士による激しいポジション争いに敗れた。PSVで結果を残して欧州5大リーグの名門へ向かうキャリアプランを描いていたはずだが、ひとまずそれは頓挫した。現在はドイツのアルミニア・ビーレフェルトでプレイしており、カタールワールドカップまでにビッグクラブへ向かっている可能性は高くないだろう。ガンバ大阪時代から順調にステップアップしてきたが、プロ生活では初めてに近い挫折を味わうことになった。

冨安の成長はポジティブ photo/Getty Images

2022カタールワールドカップまで時間は限られている

19歳とまだまだ若いが、期待のMF久保建英もレンタル先のビジャレアルで躓いてしまった。2021年はクラブを変えるなど、出番を増やしたい。カタールワールドカップへ必要な戦力だけに、2021年は成長の1年としたいところ。

中島、堂安、久保など苦戦する選手が目立った2列目でポジティブだったのは、フランクフルトFW鎌田大地のブレイクくらいのものだ。今後は森保ジャパン自慢の新・三銃士の構成を本格的に見直していく必要があるだろう。ヘンクFW伊東純也、国内組では川崎フロンターレで躍動した三笘薫も2021年のうちに試したい。カタールワールドカップへ新たに攻撃を引っ張るタレントが求められる。

三銃士を最前線からサポートしてきたブレーメン所属FW大迫勇也も怪しい。2018ロシアワールドカップ以降も不動のセンターフォワードだったが、今季はブレーメンで思うように結果を残せていない。カタールワールドカップの頃には32歳を迎えているため、年齢によるパフォーマンスの衰えが出ていないかもチェックしていく必要がある。まだポスト大迫となるストライカーが出てきていないだけに、ワールドカップまでの残り1年半で大迫に代わるセンターフォワードが出てこなければピンチだ。

同じく年齢の部分ではマルセイユに移籍した34歳DF長友佑都も気にかかる。まだ欧州5大リーグでプレイできているのは見事と言うしかないが、マルセイユでは守備面で不安定なところも見せている。こちらも長友に代わる左サイドバックが出てきていないため、何とかカタールワールドカップまでに長友と争える選手を見つけたい。何度か試している3バックを採用してハノーファー所属の原口元気を左ウイングバックに回す手もあるが、それでも長友と争える左サイドバックを本職とした実力者が必要だ。ここは最終ラインで最も不安なポジションと言えよう。

ベテラン吉田の復調、冨安と遠藤の成長など、守備面での収穫は多い1年だった。世界で通用するDFが増えており、ここはロシアワールドカップ以上に安心して見ていられるかもしれない。川島永嗣に代わるGKの部分には不安もあるが、ここはロシアワールドカップの頃から盤石とは言えなかった。ポルトガルのポルティモネンセから清水エスパルスへ移籍する31歳の権田修一、ベルギーのシント・トロイデンで奮闘するシュミット・ダニエルらの奮起に期待したいところだが、残り1年半で世界レベルのGKを見つけるのは難しい。ここはカタールワールドカップ前に最も調子の良い選手を選ぶしかないだろう。

2020年は守備面を除けば成長の薄い1年だったと言える。カタールワールドカップまであまり多くの時間は残されていないが、2021年に攻撃陣は成長できるだろうか。このままではワールドカップの舞台で世界の強豪から得点を奪うのは難しそうだ。

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