モウリーニョがついに果たした“アジアの必殺仕事人”との出会い ポゼッション率30%でも関係なし

トッテナムで“らしさ”を見せるモウリーニョ photo/Getty Images

救世主はアジアから

ポゼッション率が低くとも、勝てばそれでいい。それが現在トッテナムを指揮するジョゼ・モウリーニョの哲学か。トッテナムは6日にアーセナルを2-0で撃破したが、ポゼッション率は30%と下位クラブのような数字だった。放ったシュート数もアーセナルの11本に対して5本と少なく、堅守速攻の手本のような形でライバルを粉砕した。

こうした戦い方はモウリーニョの必殺技であり、11月のマンチェスター・シティ戦もポゼッション率33%で2-0と勝利を収めている。今季は強敵相手に堅守速攻がぴたりとハマっている印象だ。

このサッカーで現在カギを握るのは、韓国代表FWソン・フンミンだ。ソン・フンミンこそモウリーニョが求めていたアタッカーと言っても大袈裟ではなく、ソン・フンミンはとにかく決定力が高い。ここまでリーグ戦では10得点を挙げているが、1試合平均シュート数はなんと1.9本だ。

他のストライカーと比較すると、11得点を奪って得点ランク首位に立つエヴァートンFWドミニク・カルバート・ルーウィンは1試合平均3.3本のシュートを打っている。トッテナムで相棒のハリー・ケインも1試合平均3.7本でここまで8得点、決定力が高いと評判のレスター・シティFWジェイミー・バーディでも1試合平均2.3本のシュートで9得点だ。ソン・フンミンの決定力がいかに優れているかが分かる数字と言えよう。

ワールドクラスのアタッカーとなったソン・フンミン photo/Getty Images

ポゼッション率が低くても問題なし

モウリーニョはマンチェスター・ユナイテッドでも強豪相手に同じような戦い方をしていたが、当時のマンUにもソン・フンミンほど決定力の高い選手は存在しなかった。マーカス・ラッシュフォード、アントニー・マルシャルも未だ発展途上といったところで一貫性に欠けるところがある。モウリーニョのフットボールを完成させるには、安定した守備陣と少ないチャンスをゴールに結びつける必殺仕事人のようなアタッカーが必要なのだ。

チーム全体の数字で見ると今季のトッテナムはリーグ戦で1試合平均11.4本しかシュートを打っていない。これはリーグ全体で12番目の数字で、リーグ首位に立っているチームとは思えぬ平凡なものだ。ポゼッション率も50.1%で全体11位となっているが、こんなものは関係ない。勝っていれば全てOKなのだ。それがスペシャル・ワンと呼ばれてきたモウリーニョ流だ。

モウリーニョが最後にプレミアリーグを制したのはチェルシーを指揮していた2014-15シーズンのことだ。そこからはスペシャル・ワンの呼び名にふさわしくない難しい時間が続いていたのだが、ソン・フンミンとの出会いによって再び頂点が見えてきた。まさかアジアのアタッカーがモウリーニョの救世主になるとは世界のサッカーファンも想像していなかったか。(数字は『WhoScored.com』より)

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