今夏イタリアからドイツへ活躍の場を移したレジェンド2世は、いよいよ覚醒のときを迎えることができるのか。セリエAのASローマではそれほどインパクトを残せなかったオランダ代表FWジャスティン・クライファートだが、今季はブンデスリーガのRBライプツィヒで本格ブレイクを狙う。
かつてバルセロナやオランダ代表で活躍したパトリック・クライファート氏を父に持つ同選手。切れ味鋭いドリブルと優れたボールテクニックを武器とするサラブレッドは、2017-18シーズンにアヤックスで10ゴール5アシストを挙げる活躍を見せた後にローマへと移籍。しかし、在籍2シーズンで定位置を獲得するまでには至らず、今季はレンタルでライプツィヒへと向かうことになった。
この結果を見て、「ローマにおけるジャスティンの2年間は難しいものとった」と評する現地メディアも少なくはない。実際、ローマでは2年間で68試合に出場して9ゴール10アシスト。期待が大きかっただけに、多くの人がそう考えるのも無理はないだろう。良い動きは見せるのだが、決定的な仕事は多くない。ローマ時代のジャスティンはそんな印象が否めなかった。
しかし、本人はローマで過ごした2年間をかなりポジティブに捉えているようだ。結果こそ残すことができなかったものの、イタリアで得たものは多いと同選手は蘭『Algemeen Dagblad』へ次のように語る。
「最初のシーズンはかなりたくさんプレイすることができたね。移籍2年目で出場機会が減少したけど、そのなかでも7ゴールを挙げることができたのはかなりポジティブに捉えているよ。アヤックスにおける最後のシーズンでさえ10ゴールだったから、余計にそう思う。ただ、出場機会の減少は僕を困らせることとなった。そこで、一歩前進するときが来たと確信したんだ。『アヤックスでならもっと試合に出られたかもしれない』なんてことも考え始めるようになってしまったからね」
「でも、イタリアでは多くのことを学んだ。感謝していることは間違いないよ。フォンセカとの関係も悪くなかったんだ。彼は移籍の相談をした際に『君にはクオリティがある。もう一度前を向いて挑戦してみてほしい』と言ってくれたんだ。そのためにも、ライプツィヒは僕にとって最高のステップになったね。僕のような選手は、イタリアよりもドイツの方が適しているかもしれないと日々思っているよ」
イタリアで過ごした苦しい時間をも自身の糧とし、新天地での成功を掴みにいく21歳の新鋭FW。はたして、クライファートはライプツィヒで今度こそ周囲の期待に応える活躍を披露することができるのか。まずは定位置を奪取するところからだが、1日でも早く若きアタッカーが覚醒するときを多くの人が待ち望んでいる。