[MIXゾーン]絶妙だった“遅攻と速攻”の使い分け 最下位脱出のエスパルスから窺えた進歩

久々のリーグ戦勝利に安堵したエスパルスの面々 photo/Getty Images

自陣後方からのパスワークで先制点

19日に行われたJ1リーグ第17節で、湘南ベルマーレに3-0で勝利した清水エスパルス。リーグ戦での連敗を“7”で止め、最下位からの脱出に成功した。

昨年12月に就任したピーター・クラモフスキー監督の指導のもと、自陣後方から丁寧にパスを繋ぐポゼッションスタイルの確立に努めてきたエスパルスの選手たち。今季序盤戦では自陣後方でのパスミスがかさみ、これが大量失点や長い連敗の一因となってしまったものの、ベルマーレ戦ではこれまで磨き上げてきた攻撃スタイルが花開いた。

両チーム無得点で迎えた52分すぎ、[3-1-4-2]という布陣の右ウイングバックで起用された金子翔太が自陣後方でボールを受けると、アンカーの竹内涼やインサイドハーフの中村慶太とパス交換を開始。このパスワークでベルマーレのMF齊藤未月(インサイドハーフ)と左ウイングバックの石原広教を前方へおびき寄せると、センターサークル付近でボールを受けた中村が石原の背後のスペースにスルーパスを供給。敵陣右サイドを駆け上がった後藤優介がペナルティエリアへ正確なクロスを送り、このボールがFWカルリーニョス・ジュニオの先制ゴールに繋がった。

また、この日のエスパルスは自陣後方からショートパスを繋ぎ続けるスタイルに拘泥せず、最終ラインの面々が適宜C・ジュニオとジュニオール・ドゥトラの2トップへロングボールを送り、カウンターを発動。遅攻と速攻を状況に応じて使い分け、ベルマーレのプレスを空転させた。

このエスパルスの攻め方の変化について言及したのが、3バックの一角としてこの試合に臨んだ六平光成(同クラブMF)と、ベルマーレの浮嶋敏監督。試合後に行われたオンライン会見で、前者は自軍の攻撃に対する手応えを口にし、後者はエスパルスのロングカウンターに対応しきれなかったことへの悔しさを滲ませた。


六平 「(自陣後方からのロングボールは)意図したプレイでしたし、相手が前に来るのであれば(最終ラインの)裏を狙うのは当然だと思うので、この戦い方はアリだと思います。本当はもっと敵陣内でうまくパスを繋いで、(ボールを)支配できれば良かったんですけど、そこまでは出来ませんでした。ただ、場面ごとにみんなが(うまく)プレイ出来ていたのが良かったと思います」


浮嶋監督 「相手が今までの戦い方(ポゼッションスタイル)を捨てて、パワーのある選手を前に並べて、ロングボールを入れてこぼれ球から打開するというやり方に切り替えてきました。そこでしっかり跳ね返してこぼれ球を拾うということが出来ずに、ペースを持っていかれて難しいゲームになってしまったと思います」

クラモフスキー監督就任以降、ポゼッションスタイルに特化した印象が強かったエスパルスだが、ベルマーレ戦のように今後も相手の出方に応じて遅攻と速攻を使い分けることができれば、上位進出が見えてくるだろう。引き続き攻撃面をブラッシュアップできるかに注目したいところだ。

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