本当にメッシはチームに必要か “メッシ退団後”にチーム崩壊の恐れあり

バルセロナのメッシ photo/Getty Images

メッシが退団した後に残るものはあるか

バルセロナFWリオネル・メッシに退団説が浮上し、サッカー界が騒がしくなっている。

以前からメッシ獲得に関心を示していたと言われるインテル、ジョゼップ・グアルディオラが指揮するマンチェスター・シティなどが移籍先候補に挙がっており、実現すれば超ビッグニュースだ。

メッシは今季もリーガ・エスパニョーラにて25得点21アシストの成績を残しており、実力は未だ衰えていない。他クラブでも同じような結果を残せるだろう。
しかし、本当にメッシを獲得する必要はあるのだろうか。魅力的な話である反面、簡単に飛びつくべきではない案件でもある。

その理由は、「メッシ帝国」を作る必要があるからだ。メッシを獲得する場合、バルセロナと同じようにメッシが心地よくプレイできる環境を整えなければならない。必然的にチームはメッシを中心に回るようになり、スタイルは大きく変わる。これはリスクが大きい賭けだ。

メッシ獲得を事前に想定していたチームは存在しないはずで、これは今夏になって急浮上した話だ。メッシ獲得後のビジョンをきちんと描いているのか、獲得へ動く前にしっかりと検討しなければならない。

そしてもう1つ重要なのが、メッシ退団後のシナリオだ。メッシはすでに33歳となっているため、トップレベルを維持できる期間には限りがある。今夏に移籍したとしても、そのチームに留まるのは長くても4年程度となるのではないか。その時、チームスタイルをどう変えるのだろうか。

今のバルセロナのようにメッシ中心のチームを作った場合、メッシが抜けた後に何も残らない状態になってしまう恐れがある。メッシの後釜を見つけるのは極めて難しいため、チームスタイルそのものを見直す必要が出てくるのだ。今後のバルセロナはこの作業に苦しむことだろう。

つまり今夏にメッシを獲得したチームは、メッシ退団後にどうスタイルを変えていくのかまでビジョンを描いておかなければ混乱状態に陥る危険性があるのだ。

メッシがまだ1、2年の間トップレベルのパフォーマンスを維持してくれるならば、その間はリーグタイトルに加えてチャンピオンズリーグのタイトルも狙えるだろう。ユニフォームの売上などマーケティング面でも莫大な効果が見込める。

しかし、その短い期間のためにメッシ中心のチームへ作り変えるのか。当然メリットも大きいが、デメリットもある。メッシがバルセロナ以外のクラブで思うような結果を残せないケースも想定しておかなければならない。

メッシをバルセロナ以外のクラブで見てみたいと考えているサッカーファンは多いだろうが、このギャンブルに挑むべきなのか。

特にインテルのようにバルセロナとスタイルが全く違うクラブの場合はリスクも大きくなる。獲得へ動くクラブはメッシが活躍できる環境を整えると同時に、メッシ退団後のビジョンも描いておかなければならない。

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