かつて自身が最も躍動していたポジションで、悩めるストライカーは復活するか。指揮官交代によって、昨夏バルセロナが1億2000万ユーロ(約142億円)もの移籍金を叩いて獲得したフランス代表FWアントワーヌ・グリーズマンが輝きを取り戻すかもしれない。
そう伝えたのは蘭『NOS』だ。同メディアによると、キケ・セティエン前監督に代わって来季からバルセロナの指揮を執るロナルド・クーマン監督は、グリーズマンのポジションを本来の中央に戻す構想を持っているという。今季は不慣れなウイングの位置で起用されることも多く、リーグ戦35試合に出場して9ゴールと少し物足りない数字に終わったグリーズマン。そんなストライカーに対して、新指揮官はMFフレンキー・デ・ヨングと共に来季は慣れ親しんだポジションを与える方針だと次のように語っている。
「私のプロジェクトの中にはフレンキー・デ・ヨングを代表チームと同じポジションで起用することが含まれている。バルセロナの試合を見ていて、私がオランダ代表で起用しているのとは違うポジションで彼が出場しているのを見たよ。たくさんのお金を投じて獲得したのだから、彼は正しいポジションでプレイすべきだ」
「アントワーヌ・グリーズマンについても同じことが言えるね。彼はウインガーではない。だから、その能力に合った役割で自分の能力を発揮してもらいたいと思っているよ。だから、彼も自分が得意とするポジションでプレイをしなければならない。私は監督として、選手の特性を理解しそれを最大限に活用する義務があるんだ」
アトレティコ・マドリード時代には主に中央でプレイし、在籍5シーズンで133ゴールを稼ぎ出していたグリーズマン。器用な選手だけに今季は便利屋として使われることとなったが、クーマン監督はこのレフティーを来季攻撃陣の軸として考えているのかもしれない。これまで9番の位置に君臨していたFWルイス・スアレスに退団の噂が浮上している状況からも、その可能性は十分に考えられるだろう。
はたして、“新生バルセロナ”の中でグリーズマンは再びアトレティコ時代のような輝きを取り戻すことができるのだろうか。これまで指揮したクラブでも大改革を敢行してきた辣腕指揮官が、まずメスを入れるのはこれまでアンタッチャブルとされてきた前線ということになりそうだ。
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