はたして来季、イタリア・セリエAはその勢力図が大きく変化するシーズンとなるのだろうか。現在、同リーグではユヴェントスが9連覇中だが、2020-21シーズンはこの“絶対王者”とて盤石とは言えない。指導者未経験で新指揮官に就任したアンドレア・ピルロ氏の手腕は未知数。大きな賭けにでたことは間違いない。
アントニオ・コンテ監督の下で生まれ変わったインテル、じっくりとチームを作り上げて今季躍進を果たしたラツィオ、そして欧州随一のアグレッシブなスタイルで近年力をつけてきたアタランタ。魅力的なフットボールをするチームが増えてきているだけに、ユヴェントスの絶対優位はもはやなくなったと言ってもいいか。そして、この3チーム以外にも来季スクデット争いに加わることが期待されるクラブがある。ASローマだ。
今夏はパウロ・フォンセカ体制に移行するも5位に終わったローマ。しかし、同クラブは今夏経営陣が大幅に変わる。2012年8月から8年間にわたってクラブ経営陣のトップに立ってきたジェイムズ・パロッタ氏に代わり、米『Friedkin Group』のダン・フリードキン代表が新オーナーに就任したのだ。経営陣の体制を一新したことで今夏同クラブが積極補強に乗り出す可能性は高い。この移籍市場でスカッド大刷新ということとなれば、来季はジャッロロッシもかつての影響力を取り戻すチャンスはあるだろう。
そして、フリードキン氏もローマが新たな成功を掴むことに協力を惜しまない姿勢を見せている。現地時間17日に行われたクラブ買収の正式発表に際し、新オーナーは次のように新たな仕事に対するコメントを発表。イタリアの名門が影響力を取り戻すことに全力を尽くすと意気込む。
「ローマファミリーの一員となれたことをとても嬉しく思っているよ。ロマニスタからはローマを世界最高のクラブの一つにしてほしいとのメッセージも受け取っている。我々はその願いを可能な限り叶えたいと思っているんだ。ローマに対する取り組みはシンプル。この刺激的な旅を始めるにあたって、我々はローマという特別な都市に必要不可欠な部分を任されている自負がある。それに対して我々は常に謙虚に、そして真摯に取り組む責任があると思っているよ」
「私は事業主として、クラブに対する強力なサポートを提供することを目指している。我々は今、クラブと一緒に野心的で規律ある事業計画を策定しており、それによって彼らへそのプロジェクトを実現するためのサポート、そして手段を提供するつもりだよ」
近年はほとんどスタディオ・オリンピコに姿を見せずロマニスタから不満の声が上がっていたパロッタ氏と比べて、フリードキン氏はかなり野心的な人物のようだ。はたして熱意ある新オーナーの下、今夏ジャッロロッシはどのようにスカッドを整備してくるのだろうか。“新生ローマ”の復活劇に期待がかかる。
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