かつてACミランにいた若き逸材MFを覚えているだろうか。そう聞けば何人か候補が頭に浮かぶだろうが、わずか14歳でレッジーナからやってきたと言えばピンとくる人も多いだろう。2014年から2018年まで在籍したMFハキム・マストゥールである。
加入当時は“神童”と呼ばれていたマストゥール。柔らかく、正確なボールタッチで次々と相手を翻弄するドリブルは、とても育成年代の選手が披露するものではなかった。「驚異的」、「天才」、「ミランの未来」……。ファンからの期待を一身に受けていたことは間違いない。
しかし、結局この逸材がロッソネリで輝くことはなかった。キャリアの歯車が狂い始めたのは、2015年夏のマラガへのレンタル移籍だ。武者修行に出されたマストゥールだったが、トップレベルへの対応に苦しみ2015-16シーズンは出場わずか1試合に終わった。
才能は皆が認めるところだが、試合に出られない。マストゥールの苦悩は翌年に再度レンタルへ出されたズヴォレでも続き、最終的には2018年夏にギリシャのラミアへ放出されることとなってしまった。
そんなミランで成功を収めることのできなかったかつての“神童”を英『90MiN』も懐かしむ。同メディアは「ハキム・マストゥールはその後どうなった」と題して、この男を特集。その中でこの若者に関して次のように綴っている。
「まるでシルクのような柔らかさと派手なスキルを備えたテクニシャン。このモロッコ代表MFはレッジーナで若かりし頃から注目される存在だった。(中略)彼が非常に才能ある選手だったことは間違いない。でも、それだけだった。ただ、彼がまだ21歳ということも忘れてはいけない。マストゥールのキャリアは爆発的で破壊的だったかもしれないが、彼のキャリアを失敗と決めつけるのはまだ早い」
ラミアでも結果を残すことができず、今季から古巣レッジーナへと帰還を果たしているマストゥール。ミランでこそ輝くことはできなかったが、その年齢からまだ希望はあると『90MiN』は考えているようだ。
21歳にして壮絶なキャリアを形成しているマストゥールだが、彼はここからかつての評価を取り戻すことができるのだろうか。“神童”と呼ばれた男の大逆襲に期待したいところだ。
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