[粕谷秀樹]体制が変わって全ヒエラルキーが見直されても 武藤の立ち位置は危うい。意地を見せろ

粕谷秀樹のメッタ斬り 034

粕谷秀樹のメッタ斬り 034

ニューカッスルのオーナーを務めるM・アシュリー photo/Getty Images

ニューカッスルは買収されるのか

新型コロナウイルスで世界中が苦しんでいる。ブンデスリーガが5月16日に再開し、プレミアリーグとラ・リーガも6月中旬にはリ・スタートする予定だけれど、すべての関係者が感染拡大防止のために細心の注意を払わなければならない。ゴールセレブレーションは禁止され、しばらくの間は無観客試合だ。当然、入場料収入が激減し、クラブの財政を締め付ける。

シーズン終了後の移籍市場にも大きな影響を及ぼすね。ビッグクラブでさえも予算の下方修正を避けられず、『BBC』(英国公共放送)は20%、移籍市場の動向を専門とする数人のライターは30%と、その下げ幅を予想しているよ。

さて、気になるのがニューカッスルだ。『PIF』(サウジアラビア公的投資基金)が買収すると伝えられた後、このビジネスは動いていない。「現オーナーのマイク・アシュリーが買収額を釣り上げた」とか、「アメリカの実業家がPIFを上まわる額を提示した」とか、いろいろなニュースが飛び交っている。

「PIFという組織が極めて怪しいため、『BeIN Sports』(カタールのスポーツ専門局)が買収の阻止を英国政府に働きかけた」との情報も耳にした。サポーターにすれば「アシュリーじゃなければだれでもいい。一日も早く決着を」なんだけどね。

ニューカッスルで苦しい時期が続く武藤 photo/Getty Images

ビッグネームにフラれはしても

一説によるとPIFの総資産は43兆円。移籍市場でも有利に映る。ただ、ニューカッスルの冬は寒くて長い。娯楽施設も少ない。一部メディアが補強候補に挙げたアントワーヌ・グリーズマン(バルセロナ)やマウリシオ・ポチェッティーノ(前トッテナム監督)などが、とくにご家族が気に入る環境とは思えないんだな。

ニューカッスルよりは暮らしやすいマンチェスター(ユナイテッド)を、アンヘル・ディ・マリア(現パリ・サンジェルマン)は1年で去ったじゃん。奥さんのホルヘリーナが、「食事は口に合わないし、みんな痩せているし、全部が嫌だった」って毒づいていたように、イングランド北部の気候に対応するのは難しいんだ(個人差はあるけどね)。

さらにファイナンシャル・フェアプレイも要注意となれば、現有勢力のレベルアップに重きを置かざるをえない。で、そのなかに武藤嘉紀は含まれるのかなぁ。

おそらくPIFは、スティーブ・ブルース監督を解雇する。大味なフットボールがお気にめさず、ポゼッションを基本戦略とする新監督を物色中だという。ブルース監督の構想から漏れていた武藤には明るいニュースだね。

しかし、ラファエル・ベニテス前監督に「英語力の向上を」と指摘された。ブルース監督には「試合に出たいのなら、もっと努力しなさい」と注意された。武藤も自分を磨かないと、だれが新しいボスになっても定位置確保は難しいよ。

体制が変わればすべてのヒエラルキーが見直されるとはいえ、武藤の立ち位置も危うい。ビッグネームにフラれたとしも、武藤のキャリアを上まわる選手はきっとやって来る。そのライバルにどうやって勝つか……。男の意地を見せてほしいな。

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