イタリアで本格ブレイクが期待されている若きウインガーは今後、どこまで偉大な選手となることができるのだろうか。いずれ自身がスターとなることを夢見る22歳のウインガーがASローマにいる。
それはトルコ代表FWジェンギズ・ウンデルだ。2017年夏にイスタンブール・バシャクシェヒルから加入して以降、テクニカルなドリブルを武器にローマの右サイドで躍動してきた同選手。シュート精度に少し課題が残る印象こそあるものの、彼のチャンスメイク能力は確実にチームの助けとなっている。その評価は上々で、以前にはアーセナルが獲得に動くとも伝えられていた。トルコ国内では未来の代表チームを担う存在と目されており、“トルコの至宝”と称され国内のファンから大きな期待がかけられている。
そんな若き逸材と言えるウンデルだが、彼はまだ自身のことを一人前の選手だとは思っていない様子。母国メディア『Fanatik』のインタビューに応じた際、同選手は自分にはまだ改善すべき点が多いと次のように語った。
「僕は自分のことをスターだとは思っていないよ。そうなるためにはもっと努力を積み重ねないといけないんだ。でも、いずれはスターになれるとも思っている。僕は空中戦が苦手だ。そして、少し弱気な面があるね。今は様々な面でプレイを改善していかなければと思っているよ」
少し後ろ向きとも取れるニュアンスのコメントを残したウンデル。しかし、そう思うのも無理はないか。昨季までローマで右ウイングの定位置をガッチリと掴んでいた同選手だが、今季はパウロ・フォンセカ新監督の下で同ポジションには期待の若手であるMFニコロ・ザニオーロが起用される機会が増えた。これに伴い、怪我で開幕から出遅れたウンデルの出場機会は一気に減少。2019-20シーズンはここまでリーグ戦15試合で出場時間がわずか776分となっており、立場は一気に怪しくなってきている。
さらにローマは今冬、右ウイングでプレイできる選手としてバルセロナから新たにFWカルレス・ペレスを補強。ウンデルにとっては強力なライバルが増えた格好だ。本人がかなり危機感を抱いているのは、今回のコメントからも窺うことができるだろう。
とはいえ、ウンデルもそう簡単にこのままポジションを譲る気はないはず。ザニオーロが負傷したことで先発の機会が巡ってきたリーグ戦第21節ラツィオとの“ローマ・ダービー”では、積極的な仕掛けから幾度もチャンスを創出していた。まだまだ調子に波はあるものの、好調時のドリブルが一級品であることは間違いない。はたして今後、“トルコの至宝”が真のスターとなる日はやってくるか。22歳の逸材が逆襲を図る。
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