2014年夏にトッテナムの指揮官となってから5年。マウリシオ・ポチェッティーノの手腕が疑われた機会はほとんどなかった。若手を積極的に起用し、ハリー・ケインやデル・アリら金の卵と呼べる選手たちをワールドクラスへと育成。イングランド代表へ次々と若きタレントを送り込み、イングランドサッカー界にとってもポチェッティーノの存在は大きなものとなった。
チームの成績も安定し、2016-17シーズンにはプレミアリーグ2位に入ったこともある。昨季はチャンピオンズリーグでもファイナルまで駒を進めることに成功し、チームとして成長を感じることができるシーズンが続いていたのだ。このままポチェッティーノに長期政権をと願うサポーターもいただろうが、ここへきて信頼が一気に崩れようとしている。
今季は開幕から調子が上がらず、カラバオ杯・3回戦では格下のコルチェスターにPK戦の末敗北。1日に行われたチャンピオンズリーグ・グループステージ第2節ではバイエルンにホームで2-7の大敗を喫してしまい、トッテナムは手がつけられないところまで調子を落としてしまったように見える。プレミアリーグ制覇の夢どころか、チャンピオンズリーグ決勝トーナメント進出さえ怪しくなってきた。
サポーターの評価も厳しいものになってきている。英『Evening Standard』は「ポチェッティーノはまだトッテナムを前に進められる男か?」とアンケートを取っているが、56%のサポーターはNoと答えている。ポチェッティーノ政権で初めて退化を感じるシーズンになっていると言ってもいいだろう。
チームにはリフレッシュの時も必要で、トップクラブで長期政権を築くのは極めて難しい。トッテナムがポチェッティーノの下で成長できなくなったと感じたのならば、バトンを渡すタイミングなのかもしれない。まだ答えを出すのは早すぎるが、ポチェッティーノがこの事態を改善できなければ厳しい判断を下さなければならない。
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