元日本代表FW巻誠一郎氏、台風被害に苦しむ“第2の故郷”へ恩返し

かつてジェフ千葉でプレイした巻氏 photo/Getty Images

ボール1つで地元の子供たちを笑顔に

かつてジェフユナイテッド千葉などで活躍した元日本代表FW巻誠一郎氏が、台風15号の被害に遭われた方々へメッセージを送っている。

駒澤大学卒業後の2003年に千葉(当時ジェフユナイテッド市原)へ入団した巻氏。イビチャ・オシム監督のもとで大きな成長を遂げると、2005年には日本代表デビューを果たしており、翌2006年に行われたドイツW杯のメンバーにも選出された。その後は、2010年まで千葉でプレイし、ロシアや中国での海外挑戦を経て、2011年に東京ヴェルディへ移籍。2シーズンプレイしたのちに、2014年からは戦いの舞台を地元へ移し、ロアッソ熊本で活躍していたが、昨季をもって現役を引退していた。

そんな巻氏が11日に自身の公式Instagramを更新。「今回の台風15号で被害に遭われた方々、今も不憫な生活を余儀なくされている方々。本当に今も厳しい環境で大変な思いをされていると思います。心からお見舞い申し上げます」と綴った上で「僕自身は今は熊本での活動です。今回は特に僕の第2の故郷でもある千葉に甚大な影響があったという事で、本当であれば直ぐにでも駆けつけたかったのですが思い通りにはなかなか動けていません」といった複雑な心境を吐露した。
巻氏は熊本時代に熊本地震を経験していることもあり、周りの状況を見て慎重に行動を取ろうとしていたようだ。「本当は衝動的に動きたいのですが、熊本での経験上、何か情報を発信するにしても行動するにしても、2次情報や3次情報を発信したり、鵜呑みにして動いてしまうと、かえって混乱を招いてしまうので、被害の状況等を正確に把握してからと思っていました」とも述べている。

ただ「僕も熊本地震で被災した時は地震直後の絶望感の中、千葉の皆さんから本当に本当に温かい多大なるご支援をいただきました。あの時の皆さんの想いはこれから先もずっと忘れる事は出来ません。そして、必ず何だかの形でお返ししていきたいと思っています」や「僕は僕の出来る支援の形を模索して行動したいと思います。1日でも早く復旧復興が進む事を願っております」と綴っており、第2の故郷である千葉の復興に尽力することを約束した。

そして、Instagramを更新した翌日、巻氏は早速行動に移した。Instagramのストーリー機能を通じて、千葉県君津市などを訪問したことを報告。地元の子供たちと公園でサッカーをする様子を投稿したのだ。巻氏は「ボール1つで繋がれる! サッカーっていいね!」などと綴っており、映像には一緒に笑顔でボールを蹴る子供たちの姿があった。

その後、『bayfm78』の生電話インタビューに応じた巻氏は、今回の行動に至った経緯などについて「今朝ちょっとウジウジしていたら妻が空気を察して『千葉行きたいんでしょ。行っておいで』と言ってくれた。これは行くしないと思った」と明かしており、「朝の8時半くらいに飛行機で出て、千葉の方へ来ました。正確な情報をちゃんと自分で聞いたり見たり。自分の目で見て、自分が思って感じたことを発信しようという思いで来ました。僕はずっとサッカーをやっていたので、サッカーをやると一番笑顔にできる。行く途中にサッカーボールを買って、ボール1個持って近くの公園で子供たちとサッカーをしてきました。やっぱり身体を動かすと子供たちは笑顔になりますし、それを見ていた周りの大人たちも笑顔になる。スポーツはみんなを笑顔にする力を思っている」などとも話している。

停電や断水、食糧不足など、多くの方々がまだまだ苦しい時を過ごしている。そんな方々が、1日でも早く普通の生活が送れるようになることを願うばかりだ。

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