[MIXゾーン]川辺駿、広島に欠かせない“NEW心臓” FC東京戦で意識していたこと

今季、広島の中盤を支えてきた川辺 photo/Getty Images

ボランチとしても、シャドーとしても存在感

サンフレッチェ広島は17日、明治安田生命J1リーグ第23節でFC東京と対戦した。

アウェイながら首位のFC東京を相手に序盤からボールを保持し、試合を優位に進める広島。ただFC東京の鋭いカウンターを警戒してか、無理をしない落ち着いたペースでボールを運ぶこともあり、なかなか決定機を作れずにいた。しかし後半に入ると、61分にMF川辺駿とのワンツーでペナルティエリア内へ侵入したMF柏好文がシュートを放つと、相手GK林彰洋に触られながらもゴールネットを揺らし、ついに均衡を破った。試合は、このリードをきっちりと守った広島が1-0でFC東京を撃破。6月中旬の第15節から9試合負けなしの広島は、首位FC東京と勝ち点差「9」の4位まで順位を押し上げている。

この一戦は19時キックオフのナイトゲームであったが、気温は32度を超えた。そんな過酷な一戦で、両チーム最高となる11.171kmの総走行距離を記録し、アシストを記録するなど勝利に大きく貢献した広島MF川辺が試合後、インタビューに応じてくれた。
まずFC東京戦を「前半は(相手の裏に飛び出しても)蓋をされる、FC東京がコンパクトだったのでうまくいかなかったです。だけど得点シーンだったり、後半に関しては、前半にボールを動かしたおかげで(裏へ飛び出すような)チャンスが増えました。得点シーンも自分たちの狙いから得点が取れたかなと思います」と振り返った川辺。アシストしたシーンについては「相手も疲れていましたし……。(相手が)あまり隙がないチームだったので、そういう少ないチャンスをものにできたのが良かった。そういう得点に関わる嗅覚は、徐々に試合を通して上がってきていると思いますし、得点に関われたことは嬉しいです」と明かしている。

MF青山敏弘が投入されるまでの57分間は、ボールを巧みにさばいたり、ピンチの芽を摘んだり、ボランチとして存在感を放った。そして残りの約30分間は1列前のポジションへ上がり、得点シーンはもちろんのこと、下がって守備に奮闘したり、裏へ飛び出したりと、川辺はこの試合の主役、ヒーローと言っても過言ではない働きを見せていた。ゴールこそならなかったが、様々な選手が疲労を見せる中、82分に見せたGK大迫敬介からの一本のパスで裏へ抜け出したカウンターのシーンも圧巻だっただろう。この試合で特に意識していたことについて聞いてみた。

ーー立ち上がりからボランチでボールを回してFC東京のラインを下げさせたりするなど、相手のストロングポイントをうまく消しながらプレイしていたように見えたのですが、意識していたことはありますか?


「やっぱりカウンターが脅威だと思いますし、クロスを上げても跳ね返されてそこからカウンターというのは、常に相手のストロングポイントだと思っていたので、そういう部分を頭に入れながらプレイしていました。前半に不用意なボールロストからカウンターをくらったんで、そういうシーンがなければ完璧でしたけど、ただ切り替えの瞬間、(相手が)ボールをグッて運びたい瞬間にスライディングでカットしたり、(相手に)攻撃に行かせないというシーンは少なからずあったと思うので、良かったと思います」

ーー青山選手が入ってきて、1列前のシャドーのポジションに上がり、ボランチの時に比べて前への意識がかなり強くなったと思います。最後の30分間を振り返ってみていかがですか?


「(髙萩)洋次郎くんと(橋本)拳人くんが目の前の相手だったので、知っている選手に負けたくない気持ちでプレイしました。相手のストロングポイントを頭に入ればがらプレイできたと思いますし、得点に関われたこと自信になります。『勝利に貢献した!』という気持ちが大きいので、今日の勝利は嬉しいですね」

最後に「自分にボールが来ることも増えましたし、いいパスも増えました。その中で、青くん(青山敏弘)が帰ってきたという存在のデカさは、練習からやっていても感じていますし、今は試合に出られていますけど、いつ代わってもおかしくない選手だと思います。そういう危機感でプレイできているからこそ、こうやって首位の相手でも関係なく自分のプレイを出すように心がけています。それがチームにつながれな一番いいと思います」と述べていた。

長きにわたりチームの“心臓”を務めてきた青山が不在の中でも、今季広島らしさが出せているのは、川辺の存在が大きいかもしれない。試合後の会見で広島の城福浩監督は「シーズンは何が起こるかわからない。可能性がある限りトップを目指す」と述べていたが、広島の“NEW心臓”である川辺が、シーズン終盤戦のキーマンとなりそうだ。今後の活躍にも期待がかかる。

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