昨夏チェルシーに加わったMFジョルジーニョは、中盤の底で指揮官マウリツィオ・サッリの要求に応え続けてきた。ナポリ時代にもサッリの指導を受けていたジョルジーニョは、いわゆるサッリ・ボールを実現するうえで欠かせないピースの1人と捉えられていたのだ。
しかし、ジョルジーニョのアンカー起用に対するチェルシーサポーターの反応は様々だった。守備的MFのエンゴロ・カンテがインサイドハーフで起用されていたこともあり、サッリの起用法に難色を示す者もいたのだ。さらにジョルジーニョを苦しめたのが、決定的なパスを出していないとの批判だ。
ジョルジーニョはアンカーの位置からチームのビルドアップを支える役割を担っており、1本のパスで決定機を演出するようなシーンは稀だった。それもジョルジーニョへの風当たりが強くなった理由の1つだ。実際、ジョルジーニョはチェルシーに加入してから1つもアシストがなかった。安全なところへ繋いでいるだけではないのかとの批判も出ていた。
そんなジョルジーニョに思わぬ形でアシストが転がり込んできた。今回日本で開催された楽天カップで実現したバルセロナ戦でジョルジーニョがゴールをアシストしたのだ。34分、バルセロナMFセルヒオ・ブスケッツにプレスをかけたジョルジーニョは、ブスケッツがパスを出す瞬間に足を伸ばしてカット。このボールがそのままFWタミー・アブラハムの下に転がり、アブハラムがGKをかわして先制点を決めたのだ。
アシストと呼んでいいプレイかは疑問だが、英『GIVE ME SPORT』は「美しくはないかもしれない。ラッキーと言う者もいるだろう。しかし、ジョルジーニョがついにチェルシーでアシストを記録した」と喜んでいる。今季からはフランク・ランパードがチームを指揮しており、ジョルジーニョの役割も変わってくるだろう。昨季ジョルジーニョがリーグ戦で繋いだパス本数は3118本。それでもアシストはなかったわけだが、今季はより決定的な働きも見せるMFへと進化を遂げるのか。ひとまず幸先の良いスタートと言っていいはずだ。
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