横浜FMの“鉄人”が現役引退 最後まで貫く「中澤佑二らしさ」

現役引退を決断した中澤佑二 photo/Getty Images

「1ミリの後悔もなくピッチを去ろうと思う」

横浜F・マリノスは8日、元日本代表DF中澤佑二が2018シーズン限りで現役を引退することになったと発表した

現在40歳の中澤は、高校卒業後にブラジルでの武者修行を経て、1998年に練習生としてヴェルディ川崎(現・東京ヴェルディ)へ加入。翌年に見事プロ契約を勝ち取った。そして、トップチームですぐさまレギュラーを勝ち取ると、初年度となる1999シーズンから新人王やベストイレブンに輝いている。

その後もチームの主力として活躍していたが、2002年に横浜FMに移籍。2003シーズンと2004シーズンにJ1連覇を成し遂げるなど、チームに様々なタイトルをもたらしている。さらに、2013年7月から2018年8月まで178試合連続フル出場を果たし、“鉄人”ぶりを発揮している。しかし、記録がストップした昨季の第23節鹿島アントラーズ戦以降、怪我の影響もあってか、なかなか出場機会を得られていなかった。
また、中澤は長年に渡って日本代表も牽引してきた。1999年にA代表デビューを飾り、通算110キャップ17得点を記録。2006年のドイツ大会と2010年の南アフリカ大会、2度のW杯に出場している。さらにアジア杯にも3度出場しており、2000年大会と2004年大会の連覇を経験。中でも、壮絶な打ち合いとなった2004年大会の準決勝バーレーン戦(延長戦の末に4-3で勝利)の後半終了間際に決めたダイビングヘッドによる同点弾は記憶に新しい。

そんな中澤はクラブの公式サイトを通じて「私、中澤佑二は、2018シーズンをもって現役を引退する決断を致しました」と報告した上で、次のように述べている。

「自分の中では、プロ20年目となる昨シーズンを一つの区切りとして考え、全てを出し切るという思いで最終戦まで走り続けました。そしてシーズンを終え、改めて自分の思いを整理した中で、やはりこのクラブでユニフォームを脱ぎたい、そしてそれが横浜F・マリノスに対して一番の恩返しになるんじゃないかなという思いになりました」

「小学校6年生からスタートさせたサッカー人生は30年。プロとしての現役生活は20年。振り返ると、ここでは書ききれないほどの本当に多くの方々に支えていただき、こんなに長く現役生活を続けることが出来ました。もがき苦しみ、がむしゃらに掴み取ったプロ生活。来年もF・マリノスで現役を続ける選択肢もありましたが、最後は“中澤佑二”らしく、自分の決断を信じ、1ミリの後悔もなくピッチを去ろうと思います」

「良い時も悪い時も共に戦っていただいたファン・サポーターの皆さま、チームメイト、チームスタッフ、スポンサー各社の皆さま、ホームタウンで支えてくださった皆さま、横浜F・マリノスに関わるすべての皆さま、そして東京ヴェルディに関わるすべての皆さま、本当にありがとうございました。今後のことはこれからゆっくり考え、また皆さんにご報告出来たらと思います。20年間、本当にありがとうございました」

また一人、日本サッカー界を牽引してきたレジェンドがスパイクを脱ぐこととなった。引退後もサッカー界を是非とも盛り上げていただきたいが、ひとまず20年間のプロ生活お疲れ様でした。

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