エジル、ドイツ代表引退を表明 人種差別など周囲の偏見に嫌気

ロシアW杯ではドイツ代表の10番を背負っていたエジル photo/Getty Images

「僕はまだ社会に受け入れてもらえない」

アーセナルに所属するドイツ代表MFメスト・エジルがSNSを通じて、同代表から退くことを表明した。

22日に自身の公式Instagramなどを更新したエジルは、3部構成の長文が書かれた画像を投稿。「ここ数週間は自分に振り返るための時間を与え、過去数カ月の出来事を考える時間があった。だから、起こったことに対して、僕が考えていることや感じていることを共有したい」と書き出すと、問題視されている「トルコ大統領との面会」に加えて、「メディアやスポンサーらへの率直な思い」や「ドイツサッカー連盟への不満」について綴っている。

1つ目の「トルコ大統領との面会」については、「僕は1つ以上の国にルーツを持っている。僕はドイツで育ったが、家族の背景にはトルコのルーツがある。僕は2つの心を持っているんだ」と明かした上で「5月にエルドアン大統領と会った。初めて会ったのは2010年に行われたドイツ対トルコ戦のときだ。僕にとって、大統領と写真を撮ったのは政治や選挙を意味するものではない。家族の国に対するリスペクトなんだ」と述べた。
2つ目の「メディアやスポンサーら」については、「多くの人々は僕のパフォーマンスについて批判しているが、とあるドイツ新聞社は僕の背景やエルドアン大統領との写真などを持ち出し、右翼的な発言をしてきた。僕のパフォーマンスやチームのパフォーマンスではなく、彼らは僕のトルコ家系を批判しているんだ。この決して断つことのできないパーソナルな繋がりを、新聞社はドイツ代表の結果へ向けようとしているんだ」とコメント。そして3つ目の「ドイツサッカー連盟への不満」については、特にエジルはラインハルト・グリンデル会長に対して怒りをあらわに。その理由として「ロシアW杯の責任を僕に押し付けてきた。勝ったときはドイツ人として扱われるが、負けたときは移民扱いされる。僕はまだ社会に受け入れてもらえない」などと挙げている。

その結果、エジルは「僕はもうドイツ代表でプレイしない。かつては誇りと刺激を持ってドイツ代表のユニフォームを着ていたが、今はそうではない」という考えに至ってしまったようだ。

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