再び大型FWが世界を支配する時? フランスVSクロアチアの決勝で注目される190cmのターゲットマン

フランス代表のジルー photo/Getty Images

主役として注目される機会は少ないが……

ロシアワールドカップ決勝に進んだフランス代表とクロアチア代表は、最前線に190cmを誇る大型ストライカーを置いているという共通点がある。フランスはオリヴィエ・ジルー、クロアチアはマリオ・マンジュキッチだ。どちらもビッグクラブでプレイしてきた実績を持つ選手だが、米『ESPN』はやや古いタイプのFWが決勝で激突することになったと注目している。

近年は何でもできるFWが好まれ、最前線に張るだけでなくサイドに開いたり中盤に下がってボールを受けてチャンスメイクしたり、足下のテクニック、スピードなど求められる要素が多くなっている。それに比べるとジルーとマンジュキッチは決して万能型ではない。特にジルーの場合はスピードもなく、足下の技術も抜群に高いわけではない。基本的には前線に張っている昔ながらのFWと言えよう。

4年前にはドイツ代表がマリオ・ゲッツェを偽9番として起用したり、スペイン代表もセスク・ファブレガスに同様の役割を任せている時期があった。そう考えるとジルーとマンジュキッチはやや古いタイプかもしれない。
しかし、時代が巡って彼らのような大型FWが再び力を発揮し始めているのも事実。足下の技術に自信を持つセンターバックが増えた反面、フィジカル勝負を苦手とする者が出てきているからだ。現代のDFの中にはジルーのような大型FWへの対処を苦手としている者も少なくない。ジルーやマンジュキッチが前線で潰れるからこそ、2列目のスピードスターたちを活かすことができる。

ジルーに至っては今大会未だ無得点だが、それでもフランスに欠かせぬ存在となっている。マンジュキッチも決して得点王を狙えるような選手ではないが、攻守両面で常に体を張ってチームに貢献している。フランスならばキリアン・ムバッペやアントワーヌ・グリーズマン、クロアチアならルカ・モドリッチ、イヴァン・ラキティッチらが主役として注目されるが、懸命に体を張っている最前線の大型FW2人も大会を通して称賛されるべき存在だろう。

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