なぜスウェーデンはこんなに強い? イブラヒモビッチも不要なチームを支える”黄金のU-21組”

躍進するスウェーデン代表 photo/Getty Images

堅守を軸にU-21欧州選手権を制したのが3年前

フランス代表、オランダ代表と同居する厳しい欧州予選のグループを2位で通過し、プレイオフではイタリア代表を撃破。そしてロシアワールドカップ本番ではドイツ代表と同居する死の組を首位で通過したスウェーデン代表はサプライズ組と捉えられている。確かにベスト8まで勝ち上がったのはビッグサプライズだが、ただのサプライズで片づけることはできない。

なぜなら、今大会の成功はスウェーデンの育成が上手くいっている証だからだ。スウェーデンの躍進がスタートしたのは2015年に行われたU-21欧州選手権だ。1992年1月1日以降に生まれた選手たちが出場可能なこの大会において、スウェーデンは優勝を達成する。グループステージではイタリアを撃破し、ポルトガル、イングランド、イタリアと同居するグループを2位で通過。準決勝ではデンマークを4-1で撃破し、決勝のポルトガル戦は粘り強く守ってPK戦の末に勝利を収めた。

この優勝を経験したメンバーの一部が今回のロシアワールドカップで重要な戦力となっているのだ。すでにマンチェスター・ユナイテッドに加入したことで有名になっているDFヴィクトル・リンデロフ、左サイドバックを務めるルドヴィグ・アウグスティンションの2人はA代表でも最終ラインに欠かせぬ存在となっており、他にもDFフィリプ・ヘランデル、MFオスカル・ヒリェマルク、FWヨン・グイデッティ、イサーク・キーセ・テリンがA代表に入ってきている。
また当時のU-21チームも現在のA代表と同じく堅守を軸とした粘り強いチームだった。[4-4-2]をベースとした手堅いサッカーは若い世代から受け継がれているということだ。当時の大会でもグイデッティとイサークのFWコンビは合わせて3点しか挙げていない。しかし、数少ない得点で結果を掴むのがスウェーデン流なのだ。

日本人に馴染みのあるところで言えば、武藤嘉紀と同じマインツで前線を務めるロビン・クアイソンも当時のU-21欧州選手権優勝メンバーだ。今大会はズラタン・イブラヒモビッチの代表復帰案ばかりが注目を集めたが、スウェーデン流に合う若い選手が続々と出てきていた。準々決勝ではイングランド代表と対戦するが、この粘り強さを侮るべきではない。

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