これがハリルジャパンの理想形!? いま、サンフレッチェ広島のサッカーが面白い

開幕から快進撃を続けるサンフレッチェ広島 photo/Getty Images

開幕から勢い止まらず

開幕から8試合を戦って7勝1分と、サンフレッチェ広島の勢いが止まらない。昨年はシーズンで8勝しか挙げられず15位と大苦戦していたため、今年のスタートダッシュは大きなサプライズだ。何より特徴的なのは、ポゼッション率の低さだ。

日本ではポゼッションをベースとした攻撃的なサッカーが好まれる傾向にあり、昨年Jリーグを制した川崎フロンターレも細かいパスワークから相手を崩せるチームだ。一方で城福浩監督率いる今年の広島はほとんどのゲームでポゼッション率が相手を下回る。今のところポゼッション率は40%台になることがほとんどで、第2節の浦和レッズ戦では34・7%、第7節横浜F・マリノス戦では36%まで数字が落ちている。

この数字だけを見ると、広島は単なる堅守速攻型のチームに思えてくる。実際広島は[4-4-2]のシステムをベースに素早く守備ブロックを構築するサッカーをしており、ここまで僅か2失点しかしていない。しかし、広島は決してボールを繋ぐことを苦手としているチームではない。むしろボールを持った時には選手が次々にスペースへ顔を出し、ボールも人も動く見ていて楽しいフットボールを展開している。

例えば1‐0で勝利した第6節の柏レイソル戦ではポゼッション率こそ41%だったが、ボールを持った際には相手の守備ブロックを崩すべく選手が次々と斜めに走り込んでスペースを生み出している。左サイドハーフの柏好文が右サイドまで顔を出し、右サイドハーフやサイドバックと合わせて数的優位を形成しようとするなど、ポジションに囚われないアイディアも見せていた。チームとしてどう戦うのか目的がはっきりしているため、選手たちにも迷いがないのだろう。

一方でラインをかなり高く上げてくる横浜F・マリノスのような相手にはスピードとパワーを併せ持つFWパトリックを活かして徹底的にカウンターで裏のスペースを突くなど、やり方は様々だ。決してスター選手がいるチームではないが、安定した守備をベースに攻撃にもアイディアを加える見ていて非常に面白いチームになっている。

そんな広島のサッカーを見ていると、先日日本代表監督を解任されたヴァイッド・ハリルホジッチが目指していた形とダブるものがある。広島は中盤で相手を潰すことも得意としており、ハリルホジッチが何度も口にしてきた「デュエル」にも強さを持っている。そこから素早いショートカウンターに移行することができ、縦に早いサッカーを実践できる。ボールを持った際にも無駄な横パスを繋がず、シンプルに縦へ展開していくスタイルはハリルホジッチが好んでいたものだ。

恐らくハリルホジッチは日本代表がワールドカップで強豪国相手にボールを保持することは難しいと考えていたはずで、それこそポゼッション率は40%台、さらには30%台まで落ちることも想定していたのではないか。そう考えると、広島のサッカーはハリルジャパンの目指してきた理想形のように思えてくる。相手にポゼッションを許しても崩れない安定した守備、中盤でボールを奪い切るデュエルの強さ、ショートカウンターのオプション、ボールを持った際にも正確にパスを繋ぐ技術とアイディア。日本が世界の強豪国と戦ううえで理想的なやり方と言えよう。もちろんJリーグと世界の強豪ではレベルに差があるものの、広島のサッカーはロシアの地で披露したい理想的な形ではないだろうか。

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