唯一オープンプレイから全得点を挙げているのはシティ
プレミアリーグで、セットプレイからのゴールが増えている。現在首位のアーセナルは、16得点のうち11得点をセットプレイから決めている。第9節終了時点で生まれた241ゴールのうち、45ゴールがセットプレイによるもので、全体の19%を占めている。『sky sports』は、これは歴代最多の数字であると報じている。
唯一、セットプレイから得点を記録していないのがマンチェスター・シティだ。ペップ・グアルディオラ監督は、この傾向を否定することはしなかったが、まるでかつてのストーク・シティと対戦しているようだと語った。『Daily Mail』が伝えている。
「確かに、スローインをコーナーキックのように使って、ペナルティエリアに10人もの選手を配置するのは事実だ」
「今日ではセットプレイは脅威だ。昔ショーン・ダイシがバーンリーにいたときのことを思い出す。バーンリーはロングボールやセカンドボールで信じられないほどの脅威だった。ダイシはそういったプレイに関しては、間違いなく最高の一人だ」
「新しいことではない。彼は以前もやっていたし、サム・アラダイスもそうだった。あるいは私がここにいなかった頃、ストーク・シティもそうだった。ストーク・シティがスローインをしていた頃を覚えているかい? 今では多くのチームがそうしているが、当時はストークが例外だった。私がバルセロナやバイエルン・ミュンヘンにいた頃、アーセン・ヴェンゲルがストーク・シティと戦うことについて話していたのを覚えているが、今ではそれが頻繁に起こる。私が来たときは、そんなことはなかったかもしれない。バーンリーに行ったときだけだったかもしれない。でも今は事実だ。だから注目しないといけない。それでも、私はプレイすることを夢見ているけどね」
かつてのストークは、リアム・デラップの父親ロリー・デラップがロケットのようなスローインを飛ばし、そこに190cm超えの選手たちが殺到するというトニー・ピューリス監督の戦術で知られた。何をしてくるかはわかっているが、わかっていても止められない。本拠地ブリタニア・スタジアムは意図的にピッチを狭く作っており、この戦術が最大化され、プレミア有数の難所と恐れられた。
アーセナルのヴェンゲル監督はストークに苦戦していたが、そのアーセナルがストークのような戦い方をするようになるとは誰が予想しただろうか。技術よりもフィジカル重視の傾向が強まっているとの批判も出ているが、セットプレイを最大限に活かすやり方が結果につながることは首位アーセナルが証明している。戦術トレンドも変化していくものだが、この傾向はいつまで続くだろうか。