2026ワールドカップより出場国が32から48へと増加し、アジア枠もこれまでの4.5から8.5へと増加。これで多くの国に予選突破のチャンスが出てきたことになるが、サッカー人気が高まっているインドネシア代表もW杯出場に燃えていた国の1つだ。
しかし、その方針には疑問も残る。インドネシアはアジア最終予選で日本代表と同じグループCに入ったが、惜しくも4位に終わって出場権獲得とはならず。4位のチームは4次予選に回ることになるが、インドネシアは4次予選でもサウジアラビア、イラクに連敗を喫して予選敗退が決まった。
この結果を受け、インドネシアサッカー協会は今年1月に招聘した指揮官パトリック・クライファートの解任を決定。現役時代オランダのレジェンドFWだったクライファートは、僅か8試合を指揮しただけでインドネシアを離れることになる。
このやり方に疑問を投げかけたのが『ESPN』だ。インドネシアは今年1月に5年間チームを指揮してきた韓国人監督シン・テヨンを解任し、その後任にクライファートを招聘した。クライファートとは2年契約を結んでいたが、それを僅か9ヶ月で終わらせたことになる。W杯出場権を逃したとはいえ、同メディアはインドネシアの方針が見えないと批判している。
「『戦略』という言葉には、長期的な意味も含まれている。クライファートとは2年の契約を結んでおり、本来は2027年末まで残る予定だった。それほど長い期間ではないものの、前任のシン・テヨンとは異なる変化や改善を実行するには十分な時間だ。それを9ヶ月で解任したという事実は、戦略の欠如を示唆している」
「最初の疑問は、インドネシアが本当に2026W杯出場を現実的な目標と考えていたかどうかだ。アジアの強豪と互角に戦えるようにはなってきたが、理論上は4次予選で対戦したサウジアラビア、イラク、さらにカタールやUAEのような他グループの国の方がまだ強いと言える。インドネシアのFIFAランクは122位であり、今回の結果でも実力以上の戦いをしたと評価されるべきだ。イラクとサウジアラビアはそれぞれFIFAランク57位、58位なのだから。もしW杯出場のためだけにクライファートと契約を結んだのならば、なぜ2年も契約を結んだのか」
出場枠が増えたとはいえ、W杯出場を焦りすぎるべきではないだろう。アジアの予選を突破するには長期的な視点での強化が必要だ。同メディアは2億8350万人もの人口を誇るインドネシアのポテンシャルを高く評価しているが、W杯出場にはもう少し時間がかかるだろう。結果を急いで指揮官を次々と替えるのは得策ではない。