本人はスタメン出場の方が好きと主張しているが、オランダでスーパーサブ的扱いとなってきたのがアヤックス所属の大型FWボウト・ベグホルストだ。
オランダ代表でもメンフィス・デパイがセンターフォワードとして優先されることが多く、197cmのサイズを誇るベグホルストは得点が欲しい終盤に投入される機会が多かった。
それは昨季からプレイするアヤックスでも似たところがあり、昨季はブライアン・ブロビーが先発する機会も多かった。さらにベグホルストはつま先を痛めてしまった時期があり、結局昨季リーグ戦では1079分しかプレイできていない。
しかしベグホルストの凄いところは、その出場時間でもリーグ戦で10ゴールを挙げていることだ。107.9分に1ゴールのペースは称賛されるべきものと言えよう。
そして迎えた今季開幕戦、アヤックスはブロビーが負傷で出遅れており、開幕節のテルスター戦ではベグホルストが前線で先発した。すると、ベグホルストはいきなり2ゴールを記録してチームの勝利に貢献。昨季のアヤックスはあと一歩のところでPSVにリーグタイトルを奪われたが、ベグホルストの活躍次第では今季こそタイトルを奪還できるかもしれない。
オランダ『Voetbal Primeur』によると、AZ時代にベグホルストを指導したヨン・ファン・デン・ブロムはベグホルストなら今季20ゴールが奪えると期待をかける。
「相変わらず彼は情熱的で、時に相手を苛立たせることもある。ゴール、ゴール、もっとゴールを求める。これが彼の生きる道だ。ボウトは模範的なプロ選手ではあるが、要求が厳しすぎるところもあり、万人受けするタイプではないかもね。AZ時代も若手は戸惑っていたかもしれない。ジャハンバフシュと得点王を争っていた時はかなりピリピリしていたからね」
「今季はアヤックスで20ゴールは決められるんじゃないかな。もっと多く決めるかもしれない。ボウトの良いところは、試合に勝っても自身のゴールが無いと怒りをぶつけるところさ。監督なら常に起用したくなるタイプだね。彼は自分のことばかり考えているんだけど、ちゃんとチームプレイヤーであるところが面白いんだよ」
今季の立ち上がりは最高だ。得点ペース的にもベグホルストはもっと評価されるべきストライカーであり、アヤックスでのアピールはオランダ代表として目指す来年の2026ワールドカップへ繋がる。オランダ代表は相変わらずセンターフォワードの層が薄くなっているため、33歳のベグホルストがスタメンを勝ち取るチャンスも十分にあるだろう。