現在アメリカで開催されているクラブワールドカップ2025では、やはり欧州勢の実力が飛び抜けている。シーズン終了後の疲労は確実に溜まっているはずだが、それでも欧州トップクラブはクオリティの高さを見せつけている。
その欧州勢に対抗できる勢力があるとすれば、南米勢しかいないのかもしれない。32チーム制に拡大された今大会については開幕前から賛否両論あり、今も批判の声はある。米『CBS SPort』はそんな今大会を盛り上げることができるのは南米勢しかいないと取り上げている。
「欧州の中にはCWCの拡大に懐疑的な者も多いが、南米は心から歓迎している。賞金ボーナスはもちろん、南米の選手にとっては大会で名を売り、欧州へ移籍するためのチャンスでもあるからだ。さらにプライドもある。南米のクラブは欧州勢と同様に、自分たちの実力をアピールしようとの思いがあるのは明らかだ。南米から大勢のサポーターがアメリカへ駆けつけ、NYのタイムズスクエアなどで熱狂したのも、そのプライドからきているものだ」
今のサッカー界は欧州のトップクラブを中心に回っているが、そこに負けたくないとの南米勢の思いもあるだろう。それが大会を盛り上げる要素となるのだ。
実際に南米勢はグループステージ初戦から期待に応えていて、ブラジルのパルメイラスはポルトガルの名門FCポルトとスコアレスドロー、ブラジルのボタフォゴはアメリカのシアトル・サウンダーズに2-1で勝利し、アルゼンチンのボカ・ジュニアーズはポルトガルのベンフィカと2-2のドロー。
ブラジルのフラメンゴはチュニジアのエスペランスを2-0で撃破、ブラジルのフルミネンセはドイツのドルトムントとスコアレスドロー、アルゼンチンのリーベルプレートは浦和レッズを3-1で撃破している。
特に欧州勢との対決は見応えがあり、パルメイラスはポルト戦で相手を上回る17本のシュート、フルミネンセもドルトムントを上回る14本のシュートを放っていて、勝利に近かったのは彼ら南米勢の方だ。
ドルトムント相手に互角に戦ったフルミネンセ指揮官レナト・ガウショは、欧州勢が相手でも守備的に戦うつもりはないと強気なコメントを残している。そこには南米を代表するクラブとしてのプライド、自信があるからだ。
「我々は勝つためにプレイしているし、選手たちを信頼している。選手たちを信頼していないのであれば、ただ守備的に戦うだろう。もちろんどんな相手でもリスペクトして戦うが、私が選手たちに伝えているのは『勇敢であれ、個性を持ってプレイしろ』ということだ。チームを信頼しているなら、勇敢に戦えるだろう?私のチームは臆することなく攻撃に出るつもりさ」
南米勢が欧州勢と互角に戦えれば、この大会は特別な盛り上がりを見せるだろう。同メディアの言葉通り南米勢がカギを握っていると言えそうで、第2節でもフラメンゴVSチェルシー、バイエルンVSボカ、ボタフォゴVSパリ・サンジェルマンといった南米VS欧州の注目カードがある。欧州の強豪相手に力を見せつけようとする南米勢の戦いは要注目だ。