今月の北中米ワールドカップ欧州予選にてお披露目されるトーマス・トゥヘル率いる新生イングランド。メンバー発表にはサプライズ招集もあったが、注目の1人が約1年ぶりに復帰を果たしたMFジョーダン・ヘンダーソンだろう。
34歳を迎えたヘンダーソンはリヴァプール時代はイングランド代表の常連で、ガレス・サウスゲイト前監督が信頼を寄せていた選手の1人だ。しかし2023年夏にサウジアラビアのアル・イテファクに移籍したが、うまくいかず。半年で欧州へ復帰を果たし、現在はアヤックスでプレイしており、今シーズンはここまで公式戦39試合で6アシストを記録している。
若き逸材も多いイングランド代表は世代交代も進んでいたが、トゥヘルは初陣のタイミングでベテランを代表に復帰させた。英『Daily Mail』によると、当初トゥヘルは同選手を呼ぶつもりはなかったものの、メンバーを選考する際に多くのスタッフからヘンダーソンの名前が挙がったという。その後、トゥヘルはヘンダーソンに電話をかけ、話しているうちに同選手が必要だと確信したようだ。
ヘンダーソンの復帰には賛否の声が挙がったようだが、アヤックスの指揮官フランチェスコ・ファリオーリは英『Sky Sports』にて「(彼が招集されたことに)驚きはなかった」と語り、ヘンダーソンがチームに与える影響について語っている。
「彼は多くのものをもたらすことができる選手だ。年齢やパスポートは単なる要素に過ぎない。彼の精神力やプロ意識は衰えるものではないからだ。今、イングランドは再建し、新たなストーリーを築いている。彼らには間違いなく、こうしたタイプの選手、特に人間が必要だと私は思う」
今回の新生トゥヘル・イングランドには代表キャップ数が10未満である選手が15人ほどいるようで、ピッチ内だけではなくピッチ外でもリーダーとなれるベテランのヘンダーソンの人間力が大きな助けになるだろうとファリオーリ監督は語っている。
トゥヘル・イングランドに求められるのは2026年のW杯制覇で、その初陣は大きな注目を集めるが、21日のアルバニア戦、24日のラトビア戦を連勝でスタートできるか。またその中でのヘンダーソンの働きにも注目だ。