「もしかして、日本強い?」 三笘、久保、堂安、前田、旗手、鎌田ら“2チーム”作れる森保ジャパンに広がるワクワク感

ペルーを4-1で撃破した日本代表 photo/Getty Images

サポーターに芽生えた『楽しい』感覚

「もしかして、日本強い?」、「ペルーって弱くないよね?」

森保一監督率いる日本代表は20日にペルー代表との親善試合を行い、4-1で快勝を収めた。6-0で大勝した先日のエルサルバドル戦に続いてのゴールラッシュとなり、SNS上では森保ジャパンの勢いに驚く声が次々と挙がっていた。

特にペルーは南米でブラジルやアルゼンチンを相手にしてきたクセ者集団であり、FWパオロ・ゲレーロやMFクリスティアン・クエバ、ジョシマール・ジョトゥンなど経験豊富なベテラン選手を多く抱えたチームだ。親善試合ではあるものの、決して弱いチームではない。そんなペルーを圧倒したとなれば、日本のサポーターが興奮するのも当然だろう。
今回のエルサルバドル、ペルーとの2連戦で示したのは、森保ジャパンの層の厚さだ。ワールドカップ・カタール大会を経験した主力組がそれぞれ所属クラブで成長していることに加え、第二次森保政権は積極的に新戦力も試している。

中盤では両試合に先発したMF旗手怜央だ。旗手に関してはカタール大会に呼んでもいい実力者だったが、セルティックでもう一段成長した印象だ。代表のインサイドハーフにピッタリとフィットすることになり、第二次森保ジャパンでは主力になっていく可能性が高い。

エルサルバドル戦に途中出場したMF川辺駿も短い時間でインパクトを残した。今季は所属するスイスのグラスホッパーで国内リーグ9ゴール6アシストの成績を残しており、得点に関与する力は旗手にも負けていない。

もちろんカタール大会を経験した主力組も健在だ。アンカーの遠藤航はペルー戦でも圧巻の働きを見せており、他にもスポルティングCPの守田英正、ミランへの移籍が近いとされる鎌田大地もペルー戦ではさすがのチャンスメイクを披露していた。

ドイツ2部のデュッセルドルフからのステップアップも噂される田中碧も中盤の主力候補で、ここのサバイバルはかなり激しいものとなっていくだろう。

そして何と言っても前線だ。エルサルバドル戦で先発した堂安律、久保建英、センターフォワードの上田綺世、浅野拓磨、両ゲームに先発した三笘薫、ペルー戦に出場した伊東純也、古橋亨梧、前田大然、そしてエルサルバドル戦で代表初ゴールを決めた中村敬斗と、とにかく層が厚い。

カタール大会に参戦した久保はレアル・ソシエダで圧巻のパフォーマンスを見せており、三笘はブライトンのスターとなった。伊東もこの1年を通してフランスのリーグ・アンで通用することを証明し、上田もベルギー国内リーグで得点王を争うところまで数字を上げるなど、大会後に急成長した選手が多い。

そこにカタール大会落選の悔しさを味わったスコットランドリーグ得点王の古橋、オーストリアのLASKリンツでのブレイクから代表入りを掴んだ中村が加わることで、前線に関しては2チーム分作れるほどの陣容が揃っている。堂安、久保をベンチに置いた状態でペルー守備陣を圧倒した日本の攻撃に大きな可能性を感じたサポーターは多いはずだ。

またペルー戦ではカタール大会後にポルトガルのカーザ・ピアへ移籍した相馬勇紀を右のサイドバックでテストしたり、センターバックを本職とする瀬古歩夢をアンカーに配置するなど、複数ポジションでテストする試みもあった。親善試合ならではのテストで、こうした取り組みが選手層をさらに厚くすることに繋がるケースもある。

守備陣に関しては、今回のメンバーにアーセナルの冨安健洋も加わる。怪我が続いているのは不安だが、DFとしての実力は森保ジャパンの中でもNo.1と言っていい選手だ。冨安は組み立てでも貢献することができ、冨安が入ることで最終ラインからのビルドアップもさらにレベルは上がると予想される。

カタール大会の主力組をベースに、5年目に入った森保体制で日本はさらなる進化を遂げるのか。その手応えを掴めた6月の2試合で、純粋に日本の戦いを「楽しい」と感じたサポーターは多かったはずだ。9月にはドイツ代表との親善試合も控えており、ワールドカップ2026へワクワク感は増している。

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