CBとアンカーを同時にこなす“ハーフバック化” ストーンズがシティで魅せる新たなる戦術

マンCでプレイするストーンズ photo/Getty Images

自在にポジションを変えるストーンズ

マンチェスター・シティを指揮するジョゼップ・グアルディオラは常に新たなアイディアを生み出す現代の名将だが、今季のシティで目立つ戦術の1つがDFジョン・ストーンズの配置だろう。

もはやDFと表記すべきかも迷うところだが、データ分析サイト『Analyst.com』はストーンズのことをハーフバックと呼ぶ。センターバックを本職とする選手ではあるが、ポゼッション時にはロドリと並んでボランチの位置へ入ることも珍しくない。

ビルドアップを開始した際は最終ラインにいても、ボールを前へ運ぶと同時にストーンズも中盤へ。状況によってはファイナルサードまで顔を出すこともあり、この動きを相手チームが捕えられないケースも目につく。FWがプレスバックでストーンズを追いかけるのか、それとも別の選手に受け渡すのか。ストーンズだけぽっかりと浮いていることもしばしばだ。
そして守備時には中盤から位置を下げ、センターバックに入るパターンがある。攻撃時は3バックでも、守備時にはアーリング・ハーランドとケビン・デ・ブライネを前線に残した『4-4-2』へ移行できる。3バックのセンターに入っているネイサン・アケ、マヌエル・アカンジといった選手がそのままサイドへスライドし、ストーンズがセンターへ降りることで4バックを形成するのだ。アカンジやアケは純粋なサイドバックというわけではないが、ルベン・ディアスと合わせて守備能力の高い4枚が最終ラインに並ぶことで安定感が増す。相手のカウンターアタックにもこの4枚で対応できてしまうのだ。

同サイトは超攻撃的サイドバックのジョアン・カンセロがチームを去ったこともストーンズの『ハーフバック化』を加速させたと見ており、このあたりの柔軟性はさすがグアルディオラといったところか。

その要求をこなすストーンズもハイレベルな選手だ。元より足下の技術は高い評価を得ていたため、中盤でのプレイも想像以上にスムーズだ。

悲願のチャンピオンズリーグ制覇まであと1勝。このストーンズのハーフバック化が欧州制覇へ繋がる可能性もあり、今のシティはグアルディオラ就任以降では最高の安定感を誇っている。

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