プレミアリーグ首位を走るアーセナルで好調なパフォーマンスを続ける、ウクライナ代表オレクサンドル・ジンチェンコ。チームの左サイドバックだが、攻撃時はMFとなり、さまざまな場所に顔を出してゲームを組み立てる役割も担う。
いわゆる「偽サイドバック」戦術はマンチェスター・シティ時代にペップ・グアルディオラに仕込まれたものだが、ここ最近はより自由闊達に動いている印象がある。時には右サイドでチャンスに絡んでいるような場面も散見され、その“偽っぷり”にさらに磨きがかかっている。
そんなジンチェンコだが、英『Squawka』によれば、900分以上出場のDFのなかで、ファイナルサードでのパス数が最多(90分あたり27.48本)であるという。ほぼMFなので当然といえば当然だが、アーセナルが攻撃の手数を増やせるのはジンチェンコの働きあってこそといえる。
負傷離脱した期間もあったものの充実したシーズンとなっており、すでに21試合・時間にすると1,654分の出場。シティ時代は20-21シーズンの20試合出場・1,478分が最多記録だったので、すでに出場時間でも大きく上回っている。プログレッシブパス(ボールを前進させるパス)186本は、すでにシティ時代の年間最多118本(20-21シーズン)を大きく超えている(データは『FBREF』より)。
アルテタのチームに欠かせない存在となったジンチェンコ。唯一無二の働きでチームを19季ぶりの王座に導けるだろうか。