ブライトンに所属する日本代表MF三笘薫の勢いが止まらない。
11日に行われたプレミアリーグ第27節で、リーズと対戦したブライトン。チームは2度のリードを守りきれず、2-2のドローで試合を終えたが、この一戦で違いを見せつけたのが三笘だ。
三笘は33分、右クロスに対してファーサイドへ走り込むと、ヘディングで中央へ折り返し、アレクシス・マクアリスターの先制ゴールをアシストした。さらに61分には、縦へのドリブルで左サイドの深い位置まで侵入。鋭いクロスを入れると、相手のオウンゴールを誘発し、勝ち越しゴールを演出した。また、ゴールのシーン以外にも、巧みな駆け引きで相手の背後を奪ったり、身体を張った守りで相手の決定機を阻止したりするシーンもあった。全得点に絡む活躍を見せるとともに、攻守両面で存在感を発揮したのだ。
以前、三笘はメディアの前で「僕はヘディングが得意ではない」と述べていた。しかし、今季ここまでリーグ戦で挙げている6ゴールのうち2ゴールがヘディングによるもの。そして、今回のリーズ戦でもその苦手な頭でアシストを果たした。相手DFよりも高い打点で合わせている姿を見ると、ドリブルで仕掛ける際だけでなく、浮き球のボールに対しても相手との間合いの取り方が上手で、持ち味のスピードを活かした前への力をうまく上(高さ)の力に変換することもできているように感じる。得意ではなかったヘディングが、今や彼の新たな武器となりつつあるかもしれない。実際データで見ても、空中での競り合いの数こそ多くはないが、ここまでリーグ戦では空中戦14回中9回で勝利と、数字も悪くない。
世界最高と呼ばれるプレミアリーグで揉まれ、今季はドリブルだけでなく、ミドルシュートやヘディングなど、これまでとは違った三笘の姿が見られている。素晴らしい成長速度で、日々進化し続けるこのサムライアタッカーの今後が楽しみで仕方がない。