ペップ流を受け継いだコンパニの快進撃 ポゼッション率63.9%の“2部史上最強クラス集団”の完成

バーンリーを指揮するコンパニ photo/Getty Images

36歳の青年指揮官の挑戦

昨季のイングランド2部では、フラムが勝ち点90、106ゴールも奪って昇格したことが話題となった。エースのFWアレクサンダル・ミトロビッチが43ゴールを挙げる大活躍で、フラムは今季のプレミアリーグでも7位と大健闘している。

だが、そのフラムをも超えるイングランド2部史上最強クラスとまで言われるチームが出てきているのをご存知だろうか。

現在2部で首位を独走するバーンリーだ。もっともバーンリーは昨季までプレミアリーグで戦っていたクラブで、降格してきたばかりのクラブだ。1シーズンで1部昇格を決めたとしても不思議はない。
評価されているのは、結果以上に内容だ。バーンリーは昨年4月に指揮官ショーン・ダイチを解任し、6月より元ベルギー代表選手のヴァンサン・コンパニを招聘した。ベルギーのアンデルレヒトで指導者キャリアをスタートさせていたとはいえ、コンパニはまだ36歳と若い。指揮官としては経験が浅く、バーンリーの判断はなかなか思い切ったものだったと言える。

しかし、結果は大当たり。マンチェスター・シティで長く活躍したコンパニは、指揮官ジョゼップ・グアルディオラの影響を大いに受けているようで、今季のバーンリーは平均ポゼッション率が63.9%とリーグ2番目の高さを記録している。得点数はリーグトップの68ゴールで、コンパニのスタイルはグアルディオラ同様に攻撃的だ。

そのパフォーマンスレベルから、英『Daily Mail』も2部の歴史に残る強さと絶賛する。ここまで35試合を戦って22勝11分2敗と安定感も抜群で、2位のシェフィールド・ユナイテッドとは13ポイント差、3位のミドルズブラとは17ポイントの差をつけている。

昨夏は降格した影響からGKニック・ポープ、FWドワイト・マクニール、マクスウェル・コルネら主力の退団があったが、積極補強できっちりと穴を埋めたのも大きい。コンパニの影響か、ベルギーのクラブから8選手引き抜いているのも特長的だ。

まだ来季1部で躍進できると決まったわけではないが、今季の戦いぶりから期待をかけているサポーターも多いだろう。昨季のフラムは勝ち点90で昇格を決めたが、今季のバーンリーが目指しているのは勝ち点100超えだ。

現在プレミアリーグで首位を走るアーセナル指揮官ミケル・アルテタもグアルディオラの影響を大きく受けている人物だが、コンパニもグアルディオラ・チルドレンの1人としてプレミアリーグの舞台で暴れることが期待される。今後のバーンリーは注目する価値のあるチームで、今後の成長が楽しみだ。

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