伊東純也はスピードだけじゃない トゥールーズ戦で残した好スタッツが意味するものとは……

フランスでも圧巻のパフォーマンスを披露する伊東 photo/Getty Images

状況判断能力の高さ

ブライトンの三笘薫やレアル・ソシエダの久保建英など、カタールW杯以降も所属クラブで結果を残し、注目を集めている日本代表選手たちが多くいるが、森保ジャパンを牽引してきた彼の存在も忘れてはいけない。今季からフランスのスタッド・ランスでプレイする伊東純也だ。

26日に行われたリーグ・アン第25節で、トゥールーズをホームへ迎え入れたスタッド・ランス。この試合でスタメンに名を連ねた伊東は開始早々の4分、後方からの浮き球に反応すると、相手DFを交わしてGKと1対1に。キックフェイントを入れてゴール左へ落ち着いて流し込み、貴重な先制ゴールを奪った。

そして、直後の7分には、カウンターから敵陣中央でボールを受けた伊東。ミドルシュートを打つと見せかけ、右側をオーバーラップしてきたマーシャル・ムネツィへパスを通す。このパスでペナルティエリア内へ侵入したムネツィが豪快に右足を振り抜き、ゴールネットを揺らした。相手のプレスが甘かったため、強引にでもシュートを打ちたくなる場面ではあったが、周囲の状況をしっかり把握し、より確実な方を選択するあたりはさすがだ。
さらに後半に入ると、伊東は68分に右CKからユニス・アブデルハミドのヘディング弾をお膳立て。スタッド・ランスを3-0の勝利へ導いて見せたのだ。1ゴール2アシストと、全ゴールに絡む活躍を披露した伊東に対し、データサイト『WhoScored』と『Sofascore』はともに10点の満点評価をつけている。

また、ゴールへの関与以外でも、この日の伊藤のプレイは圧巻だった。この一戦で8回ものドリブル成功数を記録しているのだが、これは両チームでダントツのトップ(2位は3回)。しかも、ただ単にドリブルを仕掛けているのではなく、ドリブルする場面とパスを出す場面をうまく使い分ける。そのため、キーパスも4本と両チーム最多だった。伊東といえばスピードばかりに注目されがちだが、このスタッツは彼の状況判断能力の高さを証明しているように思う。

リーグ戦は残すところ3分の1となったが、終盤戦も伊東のプレイに目が離せない。今後のさらなる活躍に期待だ。

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