“6部相当”から辿り着いたW杯の舞台 196cmの苦労人FWがウェールズ代表に見せる夢

ボーンマスでも活躍中のムーア photo/Getty Images

30歳で初のプレミアリーグ、そしてW杯へ

1958年大会以来となる64年ぶりのワールドカップ出場を決めたウェールズ代表。前回出場からかなり長い空白の期間があっただけに、ウェールズの選手はもちろんファンもカタール大会には特別な思いがあるだろう。

メンバーに選ばれた全選手が感激しているはずだが、その中でも注目したいのが30歳のFWキーファー・ムーアだ。

ウェールズ代表ではこれまで28試合に出場しており、決して経験の少ない選手というわけではない。ただ、ムーアはクラブシーンでかなり苦労してきた選手だ。
イングランドの実質6部に相当するナショナルリーグ・サウスのトゥルーロ・シティからキャリアが始まり、その後ドルチェスター・タウン、フォレスト・グリーン・ローバーズの一員として5部相当のナショナルリーグでも2年間プレイした。

転機となったのは、2018-19シーズン。3部のリーグ1に所属していたバーンズリーでリーグ戦17ゴールを記録し、その活躍もあって2020年にはカーディフ・シティへ移籍。ようやく継続的にイングランド2部で戦うチャンスを手にした。

そこで2020-21シーズンにリーグ戦20ゴールを記録し、2021年に現在所属するボーンマスへ加入。チームは1シーズンで昇格を決め、ムーアは30歳にして初めてプレミアリーグで戦うことになった。

チームは残留争いに巻き込まれているが、ムーアは初のプレミアリーグですでに4ゴール奪っている。

そして30歳で迎えるワールドカップだ。英『BBC』は6部相当からの成り上がりストーリーとしてムーアにスポットを当てており、本人もトゥルーロから始めたキャリアがワールドカップに繋がるなど予想もしていなかっただろう。

196cmと恵まれたサイズを持っているため、ウェールズ代表にとっては貴重なターゲットマンだ。ムーアがボールを収めたところからガレス・ベイル、アーロン・ラムジーといった同国のスター選手を活かしたいところで、ムーアのファイト溢れるプレイにも注目したい。

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