カゼミロのマンU行きを後押ししていた“悪夢の4失点大敗” 世界屈指のMFは大きな野心を併せ持つ

すっかりマンUの主軸となったカゼミロ photo/Getty Images

CL王者レアルから復権を目指すマンUへ活躍の場を移した

プレミアリーグ初挑戦ながら、試合を重ねるごとにその存在感を増しているマンチェスター・ユナイテッドのMFカゼミロ。彼の移籍が発表されたのは、マンUが大敗を喫したブレントフォード戦の後だったが、彼はその試合を見た上でマンU行きを希望していたようだ。
 
レアル・マドリードで長きに渡って活躍し、いくつものタイトルを獲得してきたカゼミロ。今季もリーグ開幕前に行われたUEFAスーパーカップのアイントラハト・フランクフルト戦に先発出場しており、タイトル獲得に貢献している。アルメリアとのリーグ開幕戦にも途中出場したが、その後の8月下旬にマンUへの移籍が決まった。
 
一方、当時のマンUはブライトンとのプレミアリーグ開幕戦を1-2で落とし、続く第2節ブレントフォード戦では4-0の敗戦を喫するなど、前途多難なシーズンを送ることが予想された。英『Daily Mail』によれば、マンUがブレントフォードに敗れた頃、カゼミロはスペインでマンUとの移籍交渉を進めている最中だったようで、彼は苦境にあえぐマンUの様子もテレビで見守っていたという。
 
そのため、マンU側はカゼミロが移籍を断念するのではないかという懸念も持ち始めていたようだが、そんな折にカゼミロからマンUのフットボール・ディレクター、ジョン・マータフ氏に電話がかかってきたそう。このクラブが改革をひどく必要としている様を自ら目にし、それに携われることに興奮している旨を伝えられたという。
 
こういった流れを経てマンUはカゼミロの獲得までこぎつけているが、彼の移籍を発表した直後の第3節リヴァプール戦で彼らは2-1の勝利をあげており、そこからマンUの成績は向上している。しかし、カゼミロがすぐにスタメンに定着したという訳ではなく、エリック・テン・ハーグ監督は試合途中から彼を起用することで徐々にプレミアリーグやチームに適応させていき、10月に入ったあたりから本格的にスタメンの1人として数えられるようになった。
 
そして、その頃から直近のアストン・ヴィラ戦に敗れるまで、マンUは公式戦無敗記録を9まで伸ばしており、多くの勝ち点を積み重ねた。現在彼らはプレミアリーグで5位につけており、ELでも決勝トーナメントプレイオフ進出を決めている。カゼミロの存在がチームに好影響をもたらしていることは間違いなく、マンU関係者は彼が野心的な心を持っていたこと、それが彼のマンU行きを後押ししたことにありがたみを感じているだろう。

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