ラッシュフォードとアントニーが逃してしまったチェルシー戦“3つの決定機” トップレベルで求められる細部のクオリティ

チェルシー戦でも多くの見せ場を作っていたアントニー photo/Getty Images

チェルシーと一進一退の攻防を見せたマンU

MFカゼミロの劇的な同点弾により、チェルシーとの激闘を1-1のドローで終えたマンチェスター・ユナイテッド。エリック・テン・ハーグ監督は前半のチャンスを逃すべきではなかったと主張している。
 
前節のトッテナム戦はMFフレッジとMFブルーノ・フェルナンデスのゴールで2-0の勝利をあげていたマンU。この試合で早退してしまったFWクリスティアーノ・ロナウドはチェルシー戦でメンバー外となり、1トップには引き続きFWマーカス・ラッシュフォードが起用された。
 
この試合、最初にチャンスを作ったのはマンUだった。わずかに枠を外れたDFルーク・ショーのシュートを皮切りに、FWアントニーが得意の形から惜しいシュートを放っており、マンUのゴールの可能性が感じられる試合序盤となった。
 
28分にはラッシュフォードがB・フェルナンデスのスルーパスからディフェンスラインの裏に抜け出し、GKケパ・アリサバラガと1対1という状況を作り出す。トラップが流れてしまったことでシュートコースがなくなり、とっさにループ気味のシュートを試みたものの、これはケパに体で止められてしまった。
 
33分にはラッシュフォードが右サイドの低い位置から独力で持ち上がり、ボックス内に侵入。対峙した相手DFをボディフェントでかわしてから強烈なシュートを放ったが、ここもケパが良いセーブを見せた。
 
この後の36分、チェルシーのグレアム・ポッター監督はDFマルク・ククレジャに代えてMFマテオ・コバチッチを投入。布陣を[3-4-3]から[4-3-1-2]へと変更した。すると、ここからチェルシーがいくつかチャンスを作るようになり、逆にマンUの勢いは弱まってしまった。
 
それでも前半終了間際、B・フェルナンデスのスルーパスから抜け出したアントニーが、ケパとほぼ1対1という状況を作り出し、利き足とは逆の右足でシュートを放つ。これは枠の右に外れてしまい、スコアレスのまま試合は折り返した。
 
後半は両チームともにそれほど大きなチャンスを作ることが出来ず。87分にMFジョルジーニョがPKを決め、チェルシーが先制したものの、後半アディショナルタイムにカゼミロのヘディングシュートがわずかにゴールラインを割り、引き分けという結果で試合は終わった。
 
英『Football London』によれば、テン・ハーグ監督は試合後、「チームには大きな賛辞を送らなければならない」「我々は試合を支配していたので、その点には満足している」とコメント。その一方、前半にあったいくつかのチャンスを逃したことについてはこのように言及している。
 
「前半、ラッシュフォードには2つのビッグチャンスがあり、アントニーには1対1のチャンスがあった。トップゲームでは3回のチャンスは大きいから、そういう瞬間がやってきたらゴールを決めなければならない。得点しなければならない」
 
ラッシュフォードのチャンスシーンはトラップの質やシュートの質、アントニーのチャンスシーンは逆足の精度がゴールを逃す要因となった。両者ともにチームの攻撃を牽引する存在となっていることは間違いなく、この辺りを向上させることができれば、マンUはさらに勝ち星を積み重ねることができるかもしれない。

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